熊本地震で起きたこと、分かったこと④~「新耐震」でも壊れた
この「1.0~0.7の範囲で区分し、設計用地震力を減らしてもよい」と建築基準法に書かれていますから、減らしても減らさなくてもよいことになります。建築基準法では、このような書き方が多いのですが(設計の自由度を与えるためとも考えられますが)、そのために被害の比較が出来ないと考えられます。同じ基準だから公平に比較できるのですから、基準が違ってては被害状況の比較は公平にならないからです。
熊本地方の地震地域係数は0.9と0.8で、益城町は0.9、市庁舎が倒壊した宇土市は0.8になっています。今回の熊本地震で被害の大きかった地域は地震地域係数が低く決められているのです。倒壊した宇土市庁舎が地震地域係数0.8で造られていたため倒壊したのか分かりません。なぜなら、「減らしてもよい」と書かれているため1.0より減らしたのか、減らさなかったのか資料がない限り分からないからです。
今回も地震地域係数が1.0なら倒壊を免れた家があったのかもしれません。全ての地域の地震地域係数が1.0なら簡単に比較できると思うのですが…。
⑧に書いたように、近年大きな地震が起きている地域は、地震地域係数の低い地域も含まれています。資料も1950年の頃と違いたくさんあると思います。見直した方がいいと私は思いますが、国はそう考えていないようです。
次回は、熊本地震で起きたこと、分かったこと⑪~法律改正はなし です。
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