「新耐震住宅でも倒壊の恐れ8割」の記事より~なぜ倒れない家を調査しないのか?②
聴竹居は日本初の環境共生住宅と言われています。藤井厚二は日本で快適に暮らすことを考えて実験住宅を造りました。
「一屋一室」
この言葉は、一つの建物は一つの部屋という考えで、当時はドアで仕切る洋式の家が建てられるようになっていた時代でしたが、昔の日本の家が戸を開けて一軒の家を一室にして風を通していたことが日本に適していると考え、日本の家の良いところを洋式の良いところを合わせた住宅として聴竹居を建てました。
夏は戸を開けて風を家中に通し、各部屋の戸の上の欄間は引戸で開閉できるようにして、風が隅々まで行きわたるようになっています。聴竹居は夏を優先した家ですが、冬の晴れた日には窓を閉め日差しで暖かくなった縁側で暖房器具(火鉢など)を使用しないで作業できる家となっています。
特に、蒸し暑い夏を快適に過ごすため、床下や前回書いた導気管(家の西側の下がったところから、土管で配管し家の中に冷たい空気を取り込む管)で家の中へ冷気を入れ、室内の空気は天井の開け閉めできる開口から屋根へと逃がし、また、普通は水平にしか空気は移動しない床下の換気口も、壁の中の通気筒を通って屋根裏に出るように作られています。
日本の環境を考え快適に生活できる家を目指したのが聴竹居なのです。家の中の空気を動かすことは、私の工務店で採用している「通気断熱WB工法」と同じで、それを今から90年も前に実現していた家なのです。
次回は、聴竹居を訪ねて④~居間中心の家 です。
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