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孤篷庵(こほうあん)を訪ねて5~あの生垣の向こうが忘筌?

鈴木敏広

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テーマ:四方山話

直入軒では、ひと間にたくさんの人が入って説明を聞いていました。私は直入軒の奥の方で説明を聞いていたので、庭先の説明がよくわからりませんでしたが、庭先から左を見ると説明の意味が分かりました。

『あの生垣の向うに忘筌がある?』
人の身長ほどある衝立のような四角に刈り込まれた垣根が見える。
あの向こうに先ほど見ていた忘筌の間がある…ということは、もしこの庭を鳥のように空から見れば直入軒の近江八景の庭の片隅を切り取って、忘筌の庭が造られていることになる。

孤篷庵⑤

直入軒からは垣根で忘筌が見えない。忘筌からはあの障子のために直入軒も近江八景の庭も見えない。
忘筌の障子は、躙り口として頭を下げて人を招き入り、紙障子で西日を柔らかくて取り込むことと、忘筌と直入軒が、本当は近江八景の庭の東と北に配置されているのに、配置されていないように見せている。

孤篷庵⑦


一枚の障子の役割がこれほどとは…
孤篷庵が遠州の美と言われる理由がよく分りました。

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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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