孤篷庵(こほうあん)を訪ねて3~忘筌-西向きの茶席
直入軒の庭は今までと打って変わってにぎやかな庭。
遠州の生まれた国、近江八景をイメージした庭で、木も石もたくさん配置されている。直入軒の庭は、垣根や石で徐々に奥を狭くして奥行きが出るように配置されているという。なるほど・・・垣根や石で奥へ行くほどの幅を狭くし、実際の長さよりも奥行きがあるように配置している。まるで、遠近法を使った絵のようになっている庭だ。
うーん、またまた意外性のある庭。
ここまで全て違う庭が三つ。孤篷庵は、建築、庭、茶道の三つに精通した遠州ならではの作品。
非公開なのにガイドブックに載ったり、写真が公開される理由が分る。
続き間の四畳半の茶室、山雲床は中には入れない、蹲の説明だけ。
西側に庭があるようだが全く見えない。でもこの茶室も忘筌と同じように普通の部屋、天井も高く、何より明るい。遠州が利休と全く違う空間、庭と一体となった茶室、現代に通じる座敷から庭を見る、そして大勢で庭を見ながらお茶をすする。孤篷庵は、そんな喫茶店のような建物でした。