築30年で初めて漏った家6~すぐに汚れる最近の家
昔から「角から雨が漏る」と言われています。前回のコラム”雨漏り11~雨が漏るところ”に書いた雨漏りしやすい場所も開口部以外は角が多いのです。
大工は、雨漏りしないように、さまざまな工夫をして家を建ててきました。大工が設計にかかわらなくなった現在、大工の知恵は忘れ去られ、見た目優先の家がたくさん建つようになりました。雨漏り防止よりも見た目が優先されているのです。
なぜ、そういったデザイン優先の家が建てられるか?
その理由は防水材料の進歩で雨を家に入れないことが可能になったからです。しかし、一般的な防水材の寿命は10年程といわれています。風雨が当たる場所は防水材が早く傷み(施工がきちんと行われていなければもっと早く傷みます)雨が降るたびに雨漏りしていれば、雨は徐々に奥に入っていきます。防水材は、雨を防ぎますが、破られるとどんどん入っていくのです。
簡単に施工できて安価工法で、とりあえず漏らなければ人はすぐに採用しますが、日本の雨は短期間に風を伴い、たくさん降ります。防水材の劣化により針のような穴があいたところに大量の雨が短期間に集中すれば、雨漏りになるのです。
雨漏りのコラム第二部は、後日掲載します。大工が作ってきた頃の家と最近の家を比較し、安価で簡単に防水できるシーリング材のない頃の職人の知恵と工夫を中心に雨漏りしにくい家について書く予定です。