マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 40 ~

2020年11月20日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。

2020年 12月号 士衛塾山梨ニュースより

■ 鬼滅の刃 ■
 すごいことになっていますね。鬼滅の刃。私は「なぜ、そんなに良いのか?たかがアニメで・・・」と思っていましたが、「みんなが良い」という理由が知りたいと思い、Amazon Prime Videoでアニメを見たら「すっかり虜に」なりました。コミックももちろん全巻大人買い!しました。言い過ぎかもしれませんが、武道のエッセンス、人生の道標がすべて詰まっているような気がします。そして、「全集中」使えますね!また「火の呼吸」・・・私たち稽古でやっているではありませんか!前もこのコーナーで書きましたが「呼吸」はとても大事です。私たちが行っている呼吸法は「火の呼吸」「息吹」「腹式呼吸」「完全腹式呼吸」「完全呼吸」です。

■ 護身クラス ■
 ご父兄からのリクエストと以前から「どこかで護身クラスをしたい」と思っていたのもあり、月に一度ではありますが「ファミリー護身クラス」として新たにスタートします。時間は1時間にして、参加者の肉体的負担を少なくします(笑)。参加は、本部支部登録関係なく、生徒やそのご両親やきょうだい(ファミリー)なら誰でも参加可です。服装は生徒を含めて自由です。空手衣でもジャージでも平服でもOKです。
 内容は後述しますが、まず「護身」について、若干説明を…。下記を見て参加に対してハードルを上げないでください。正しく理解していただいて気軽に参加して下さい。字面ではなく、実際にやってみることで理解できることがたくさんあります。
 まず、空手を習う者にとって「護身」は特別なものではなくて、既に空手を通して護身を行っているということです。大きく分けて、相手を突いたり蹴ったりが「剛法」と言います。そして、多分皆さんが想像している護身術。例えば、相手を投げたり、掴まれた手をほどいたりなどは「柔法」と言います。それらをひっくるめて「護身」です。士衛塾では、この剛法と柔法があり、普段の練習では剛法を、護身セミナーで主に柔法を行います。
 気を付けていただきたいのは「護身術を習っているから、自分より大きい人や力のある人、刃物を持っている人も平気!」なんて決して思わないでください。護身万能論が一番危険です。基本的に力の差がありすぎるとなかなか厳しいです(しかし、そのために当身というのがあります。それは剛法です)。また、裏と表があるように、技をかけることができれば、かからなくする方法もあります。
 たいてい護身術を使わなければならない場面は、予行練習や計画されたものではなく、とっさの場合に使わなければなりません。頭で考えるのではなく、身につけなければなりません。そのためには、知識を取り込んだら、繰り返し練習することが必要です。いわゆる「モノになるまで」です。空手の「黒帯」と一緒ですね。黒帯になって初めて「モノになった」。「そこからが始まり」。
 護身術を使う際、気をつけなければならないのは、相手の思考です。つまり、自分に対して相手が何をしようとしているのか。殺そうとしているのか、怪我をさせようとしているのか、怪我をさせるつもりはないが威嚇をしたい、敵意はない、などです。それぞれに応じた「術」をしないと大変なことになります。「大変」というのは、「過剰防衛で訴えられる」ということです。殺そうとしているのは論外ですが、相手が怪我をさせようとしていても、自分が怪我をさせてしまった場合などは、過剰防衛になります。そうならないためにも最大の護身は「逃げるが勝ち」「そういう場所に行かない」です。しかし、万が一の時のために身につけておいて損はありません。「知識は、無くて損することはあるけれど、あって損することはありません」。
 あと、相手にあまり敵意がない場合。例えば医療や介護などの現場で相手(患者や高齢者など)の力が弱い場合や飲み会で上司などに手を握られた場合、抱き着かれた場合などのための護身も用意しています。これは、相手を動けなくする過剰防衛ともいえる護身術ではなく、相手に怪我をさせないでトラブルなく収める護身術です。過剰防衛にならずに身を守る、新発想の護身術です。こちらは、企業・団体でセミナーをする際は、ばっちり講師料をいただいていますが、参加者には無料で教えます(笑)。

■ 道場の貼り紙 ■
 本部道場に右の画像の紙を額に入れて飾ってあります。私は高校卒業後、横須賀の酒問屋に就職しました。会社の寮に住み込み働いていました。今から約32年前になります。私が20歳の頃、残業月180時間は当たり前の過酷な肉体労働だったため腰椎椎間板ヘルニアを患い、入院したりしました。結局治らずにその後20年以上もこの病気と付き合うこととなりました。会社を辞めて山梨に帰ってくる日、会社の先輩の中津さんが、寮の私の机に置いていってくれたものです。裏はテニスクラブの広告です。「元気を出せば何でもできる!頑張れ伊藤また逢おう」。広告の裏に書かれた殴り書きですが、私はこの言葉に、今もずっと励まされ続けています。当時、営業成績など決して良くなかった先輩でしたが、私の人生の支えになる言葉を残してくれました。家に貼ってあったのですが、いつの間にか何処かに片付けてしまったようでした。最近、ふと、「あの紙どこだったっけ」と思い出し、探したところ、まるで糸と糸でつながっているかの如く発見できました。書いてくれた中津さんとは退職以来、会えていませんがこの言葉の如くどこかで「めぐり逢い」たいです。言葉は人を傷つけることができるけど、支え続けることもできます。言霊とはその通りですね。私の言葉に対する思い入れは、ここにあるのかもしれません。
 また、人は「今、とてもつらい状況にあるけれど、あの時もっとつらい状況だったけれど乗り越えてきた」と過去に乗り越えてきたところに戻り、勇気と自信をもらうことがあると思います。私にとってそれは高校時代とこの会社で自分自身を破壊するほど一生懸命に務めたことでした。早朝から勤務し、夜中にその日の仕事を終え、倉庫の外で「今日も終わったー」と思う日々。横須賀の地の初秋のひんやりとした空気、風の匂い、今でもあの日々は忘れません。何かに「一生懸命」に取り組むことは、今後の人生において必ず大きな力となります。

■練習のレベルアップをしましょう■
 士衛塾山梨では、練習のレベル分けしています。
 甲府などの「支部」と本部の通常の練習(特別クラス以外)は、主に初心・初級・中級クラスの練習内容です。もちろん上級の参加もできます。しかし、この練習だけでは限界があります。空手を趣味で楽しくやりたい方はこの練習で十分ですが、紫帯以上を目指す方は、それ以上の特別クラスもぜひ並行して参加してください。上を目指せるよう、様々なクラスを併設しています。下記をご参照ください。
 新型コロナウイルスの影響で練習を再編した結果、以前とは減ってしまいましたが(徐々に元に戻りつつありますが・・・)、士衛塾山梨では、通常の練習以外に、それを補う「フリークラス」、「上級・選手クラス」を設けています。それぞれの目的に合わせて本部登録者は自由にご参加ください。全ての練習で初心者から参加可能です。
 「一般部・シニア フリークラス(月20:30-21:30、水21:00-22:00)」一般部・シニア向けに各自個別ないし集団で練習を行います。仕事で遅い方もご利用できます。ジュニアでも参加できます。私はここでは普段の練習で行わないサンドバッグや部位鍛錬を行っています。
 「上級・選手クラス(火・金19:30-21:30)」基本や型、移動組手等すべてにおいて士衛塾山梨最高峰の練習を行います。最もおすすめのクラスです。現状のステップアップのためにもぜひご利用ください。審査会の前や、試合の前だけにスポットで参加することも構いません。紫帯からは必須となります。合宿を乗り越える体力気力があれば十分参加できます。
◆昇級にこだわることなく、健康維持等で続けたい方は、通常の支部や本部練習で十分です。
◆黒帯を目指したい方は、通常の支部や本部練習に加え、上級選手クラスが必要です。

この記事を書いたプロ

伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部)

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