マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 39 ~

2020年10月19日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。

2020年 11月号 士衛塾山梨ニュースより

■ 動画提出は生徒だけでなく、指導者も成長させました ■
 コロナ禍の中、37回続いた、課題として出された基本などの技を、動画で撮影し送信し指導を受ける「ほーむ★すたでぃ成果発表会」も一定の役割を終え、一旦終了となりました。皆さんの動向を見て必要なら再度最初から再開するかもしれませんし、単発で課題を出すかもしれません。
 動画での指導についての効果は何度もこのニュースに書きましたが、効果は絶大です。動画を使った一対一のパーソナル指導となりました。
 それを行うことで、動画を提出した方々の技のレベルや理解度の向上はもとより、私の指導能力や深さは格段にレベルアップしたことは間違いありません。この指導方法は、指導者をも成長させます。

■ 次の課題は、筆記試験~聞く力をつける~ ■
 さて、次なる課題は現在進行形で行っている「ほーむ★すたでぃ筆記試験」です。
 誰でも知っている簡単な問題から、あまり聞いたことのない問題まで、幅広く出していきます。
 知識とは面白いもので、普段聞いているつもり(インプット)でも、いざ、話そうとすると思い出せない。例えば、空手で前に立って号令をかけている先生の話しを耳にタコができるほど聞いているけれど、いざ、自分が前に立って先生と同じように行おうとしても、言葉が出てこないということがあります。インプットしたらアウトプットも常にしておくと、記憶をすぐに呼び起こすことができます。音読や歌を歌うことも同じですね。字を読み(見る=目)、それを声に出すことで(話す=口)、自分の声を聴く(聞く=耳)。そうすることで覚えやすくなりますね。
 試験も同じで、普段聞いていることを、書くことでアウトプットします。そうすることで、しっかりと覚えることができます。また「もしかしたら試験に出るかも」という心構えが、聞く姿勢をさらに高め、知識の積み増しに効果をだします。
 知識は力なり。そして、尊い財産にもなります。
 それから、すごく大切なことですが、思い込みの回答が多いです。例えば、「漢字とひらがなで答えてください」と聞いているのに「漢字だけ」。「ひらがなで答えてください」と聞いているのに「漢字」で答えるなどです。問題をしっかりと読みましょう。

■ 努力の人「坂井力丸」 ■
 最近、急成長しているのが「坂井力丸」です。中学校に入り、特に空手を集中して行っていて、今は、月・火・水・金・土と週5回来ています。テスト期間もテスト前日も変わらずに。すごいですね。力丸のやる気もありますが、親御さんの協力にも頭が下がります。
 「ほーむ★すたでぃ成果発表会」も37回すべて課題を提出しました。その甲斐あって、ここのところ急成長をしています。技のレベルアップはもちろん、組手でも飛躍的に強くなっています。
 課題に対して無視する人もいるなかで、力丸は真摯に受け止めて提出しつづけました。直すべき技は努力して直す。こういう人は、人からの信頼が得られるのでしょうね。
 「たかが課題」ですが、その「たかが」ができない人が意外といるものです。そういう取るに足らない事に対しても、人よりも頑張っている人は、必ず伸びます。これは全ての人に当てはまります。どんな人にでもです。今すごい人は、これまで努力してきた人なのです。過去の努力が今の自分を作っています。この先どんな自分になりたいか考え、決めたら、今行動すると未来の自分が作れます。そんな力丸だからこそ、空手だけでなく、勉強もできるのでしょうね。立派なはずの大人でさえできないことを中学一年生にできてしまうのは素晴らしいです。

■ 「ちゃんと」が通じない ■
 よく、練習で「ちゃんとして!」と子どもたちに言います。
 子どもたちを指導していて、近年特に「ちゃんと」とか「一生懸命」や「頑張る」という言葉が伝わらなくなってきているように感じます。
 この、「ちゃんと」の意味を大辞林第三版で調べてみると・・・
 「完全できちんとしているさま」
 ①まじめなさま。りっぱなさま。「 -した人」「 -した商売」
 ②秩序正しく。まちがいなく。規則どおり。「 -書ける」
 ③十分。「朝食は-食べた」「 -間に合わせた」
 ④危なげなく堅固なさま。しっかりと。「 -立ちなさい」
 ⑤ すばやく。さっと。ちゃっと。「凭もたれ給へば-退き/浄瑠璃・無間鐘」 です。
 空手では、真面目にやっていない時や、手を抜いていた場合に「ちゃんとして!」という場合があります。
 昔は、この魔法の言葉(笑)「ちゃんとして!」と言うと「シャキッ」としたものですが、近年では、あまり効果がなく、「変わらない」子たちもいます。
 事柄により色々な意味を持つ「ちゃんと」ですが、この学習ができていないのだなと感じます。
 「空気を読む」ということが分からず、周りに同調せず、自分のペースを崩さす、結局他人に迷惑をかけているということが「わからない」のです。右と左を間違えていても気にせず、大きな声を出してと言われても変えず…。この行く末に上達はありません。
 子どもに「ちゃんと」を教えるのは、学校でも空手でもなく、親であり、親の姿勢です。親が「ちゃんと」「一生懸命」「頑張る」ことを見せないで、子どもは一体どこから学ぶのでしょうか?他人からですか?ぜひ、子どものために、ちゃんと一生懸命頑張る、尊敬される親であってください。
 そのほか、これは大人にも共通しますが、全体に向けて話していることは「自分のことではない」と思っていて、明らかに聞いていないケース。個人的に言われたこと以外、聞いていない。例えば「引き手をちゃんとして!」と全体に向けて言っても直さない、無反応。
 それは「聞いていないあなた」に言っているのに気づかない。自分はできているから大丈夫と思っているのでしょうか。困ったものです。上達したければ「全体に言ったことは自分のこと」。例えできていても、自分はできているだろうか?と確認してもらいたいものです。
 最低限、前に立つ人の話を聞くことや、話しを聞いているときの姿勢(態度)ができるようにしましょう。

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伊藤龍吾(新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部)

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