マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 62 ~

2022年9月21日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します

2022年 10月号 士衛塾山梨ニュースより

この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです

■ 一般部夏期合宿 ■
 ジュニア、一般部と二週続いた夏期合宿も終わりました。これが終わると暑さは別にして気持ちの上では「夏が終わった」感があります。私は、毎年の夏合宿を乗り切るために一年練習しているような感じです。ジュニアは先月触れたので、今回は一般部についてです。
 一般部夏合宿は、中学生以上なので手のかかる人は当然いません。ジュニアでするような心配はないのですが、自分自身が大丈夫かという不安と心配で頭がいっぱいです。もう大人の集まりですから、「一生懸命やりなさい」などと言われることなく、誰もが一生懸命です。そして、大人の集まりですから、和気あいあいと練習は進みます。そう、進んでいるのですが、内容は「キビシイ」のです。でも、大人ですから「キツイ・ツライ」なんて言いません。一日目の終了後の気だるさと筋の痛み。大人(ジジイ)ですから、筋肉痛はまだ来ません(3日後くらい)。とはいっても小野さん、足がつってしまいました。歳を取ると、海や川で魚を釣るのではなく、陸で自分を「つる」ことが得意になります。二日目の朝食は、とても静かだったです。大人だから騒ぎません。コロナ禍なので当然黙食です。いや、寝ている人多くね!? 小野さんは、朝食を食べ終わるとともに、すぐに黙想していました。大人ですから、一日目を踏まえ、二日目のこれから起こるであろうことを想像し、自分自身との戦いに向けて、英気を養っているのだと私は勝手に解釈しました(笑)。みんな、へっちゃらな顔をしていても、今日はどんな練習をするのかと、心はビクビク・ドキドキしています。みんなギリギリの線で心と体が崩壊するのを耐えています。
 合宿終了後、お風呂も入れないくらい疲れた小野さん、本当にお疲れ様でした。あなたが私たちの見本であり、目標となる道標です。いつまでも頑張ってください。ちなみに女子の見本と目標は、中村仁実さんです。よろしく!
 参加した皆様、お疲れ様でした!帰りの味噌ラーメンは美味しかった。

■ 身なり ■
 野球の落合博満さんのYouTube「野球はユニフォームの着方も大事 野球の上手い下手はユニフォームの着方で分かる」を見て、ある先生がFacebookにこんな投稿をされていました。
 「これ、空手でも言えますね、強い選手は空手着を身に付けた姿が格好いい。ジュニアからシニアまて、全てに当てはまるかと。裾が短くツンツルテンになっている選手が決勝に上がるのを見たことない」
 そのあと私とのやり取りで
 「上手く言えませんが、格好つけると言う意味ではなく、そういった部分にも気をつける事ができる事が重要かと思うんです。パツパツの小さい空手着だったり、ブカブカのオーバーサイズの空手着ではパフォーマンスを発揮出来ないと理解しているか否かなのかと」
 その通りだと、心から同意します。
 身なりは、その人がその事柄に対して、どう思い、どう向き合っているのかという姿勢だと思います。

■ 三島の大会 ■
 この大会は、良かった選手、いま一つだった選手、それぞれが何かを感じた大会だと思います。普段の練習ではない勝敗を決める真剣勝負の大会だからこそ得られたものは大切です。その感じたことを練習で補ってください。練習で手を抜かない、自分を甘やかさない人は勝っていけます。日々、少しずつ手を抜く、少しずつ甘やかすことをしていると、それに慣れてしまって、いつしか「あたりまえ」になってしまいます。それならば、いつも手を抜かない、甘やかさない、でもたまに思いっきり手を抜き、甘やかす方が良いかと思います。つまり、手を抜くのが日常的なのか、たまになのかの違いです。普段の練習を見ていても、みんなが一生懸命に練習している傍らで、明らかに手を抜いている子が見られます。人それぞれペースも違えば、「一生懸命やる」スイッチが入る時期・時が違うので見守っていますが、早くスイッチが入ってもらいたいものです。ただ、試合に出たり、普段の練習以外に選手クラスや組手強化クラスに参加するなど、新たな行動をしないとスイッチはなかなか見つかりにくいものです。
 試合では、前田悠冴が「快進撃」をみせて3位入賞をしました。申し訳ありませんが、見た目は決して動きが良いようには見えませんが、その動きの良さと延長になってもなお上げてくるスタミナには驚きでした。コートに入る際も大きな声で「押忍」と挨拶をし、試合終了時の判定を待つとき、疲れていても背筋を伸ばし、しっかりと立っている振る舞いには感動しました。なんだかんだ、長い時間をかけてたくさんの稽古を積んだ成果です。そういえば、悠冴は、道場を出る時に誰よりも大きな声で「ありがとうございました」と出ていきます。ご家庭での教育が行き届いています。

■ スタミナ ■
 先般行われた一般部夏合宿のヤングの部の最後の練習の「タバタトレーニング」を組手強化クラスなどで取り入れています。また、ビックミットやサンドバックを使用した「2分間ラッシュ」も復活しています。ともに心肺能力を高めるためのものです。私もフラフラになりながら何とかやっています。
 そのおかげかどうか、取り入れてそう時間が経っていないのでわかりませんが、三島の大会での前田悠冴の動き、私のラスト20秒のラッシュが楽にできたこと、帆南先生の延長戦最後の「タバタ~」の掛け声のあとの手数の多さは、一定の効果があったように思えます。大変な練習ですが、今後も続けて行きスタミナ作りをしていきたいと思っています。そういえば、世界大会前の女子はこの2分間ラッシュを5セットできました。居残り練習でこれをやっている時の道場内には女子の怒号が響いていました(笑)懐かしい。
 試合では、圧倒的な実力差以外は、パンチがあと3・4つ出ていれば…蹴りがあと少し出ていれば判定で勝てたかもしれない「僅差」の試合が多数あります。それを出せるようになるためには、死に物狂いの練習が必要です。非科学的ですが、最後は根性論や精神論になります。それは、相手との戦いというよりも自分自身との戦いとなります。武道とはあくまでも冷静沈着で行うものですが、試合という競技では、冷静沈着かつ自分自身のリミッターを外すことをコントロールできるようになりたいものです。
 試合は負けても勉強ですが、やはり勝負には勝ってもらいたいし、勝たせてあげたい。そのためには心を鬼にして選手を育てなくてはいけない。コロナ禍の中で私自身も「牙」を抜かれてしまったようなので、以前のように強い士衛塾山梨復活へと舵を切り直していきたいと思います。

■ 聞いてみる、書いてみる、言ってみる ■
 聞く、書く、言う。とても大事なことです。長年、子どもたちに接してみて、年々この能力が落ちているような気がします。大人も子どもも含めて、特に、話を聞けない、都合の悪いことは言わない人が多いような気がしてなりません。昭和の時代のように情報は自ら足を使って行動し、苦労して収集する時代から、ネットで検索!で収集できる時代となっています。アナログな手紙での「文通」をするために公の雑誌に住所や氏名など個人情報があふれかえっていた時代とは随分と違います。情報量・速度ともついていけません。そんな時代、聞く力、書く力、言う力が試されているように思えます。
 いま、前川輝は、稽古が終わると、「良かったところ、悪かったところ、家で練習してくること」を先生に聞き、ノートに書いています。聞くことは誰でもできます、しかし、ちゃんとノートに書くことまでできる人はそういません。川中椋仁と隆矢は、稽古前に今日の稽古で気を付ける事や意識してやってみることを言いにきます。終わるとどうだったか聞いてきます。ですから私たちも意識して見ます。
 すごく大事だと思います。小さい子でさえ意識すればできるようになります。しかし、大きくなるにつれてどうでしょう??私はこのニュースが自分自身への戒めでもあります。


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