マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 25 ~

2020年3月12日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2019年 8月号 士衛塾山梨ニュースより

■今年の朱鷺CUPの振り返り■
 今年も国際総本部の主催大会(J-1朱鷺CUP)に向けて、伊藤家は木曜日に新潟に前乗りしました。
 まず、私たちの留守中に山梨の指導を引き受けてくれたり、お手伝いをしてくれたりした指導員に感謝いたします。そのおかげで、試合前の練習が休講とならずにできました。また、選手らを乗せ、マイクロバスを安全に運転して大会への往復をしていただいた指導員らにも、心より感謝いたします。皆さまの、ご協力があってこそ、私たちは安心して前乗りができます。ありがとうございます。
 さて、今回も外国勢(コロンビア・パキスタン・ウズベキスタン・ネパール)と一緒のホテルに宿泊しました。初めて会う人、つい最近あった人、久しぶりの人、とても久しぶりの人。なのに、挨拶をすると、なぜか既に旧知の仲のような雰囲気になるのが素敵です。お互いが同じ士衛塾のファミリーとして認め合っているからかな?
 私たちは外国勢のお世話係でした。ホテルは今年ジュニア合宿で使用するところです。4泊しましたが、とても快適に過ごすことができました。夏の合宿が楽しみです。
 金曜日は、長岡支部と柏崎支部の指導に行かせていただきました。
 一昨年も行かせていただきましたが、本当にこの両支部は素晴らしい。生徒はもちろん、保護者も素晴らしいです。礼儀正しく、そして熱心に練習します。柏崎は、新潟市の本部から90キロも離れているというのに、本部から通うのに苦にならないくらい素晴らしい支部です。もちろん柏崎や長岡からも本部練習に来ています。山梨でも、富士吉田から毎週通ってくる、佐藤家・宮下家には頭が下がります。
 この間の、海外勢のセミナーは、金・土・月にありましたが、金曜は前述の通り、長岡・柏崎に行っていたので、私は最高師範のセミナーを土曜日と月曜日に受けました。これまた、貴重なことで 新潟の皆さんと違い、当然 山梨では普段 最高師範の指導を受けることは滅多にありません。合宿や山梨でのセミナー位で年に数回ほどです。ですから、私にとって、私の大切な師である最高師範の稽古に参加できている時間は、大変貴重で、至福の時です。別に、私への個人レッスンではなく、海外勢とともに行っているセミナーですが、私は勝手に私への個人レッスンだと思って、他を顧みることなく、この時間の幸せを独り占めしていました(笑)。山梨の皆さん、年に数回しか受けることのできない最高師範の練習はとっても大事ですよ!
 そんな大切な時間ですから、一切の手抜きなどするはずがございません。しかし、年寄りなので疲れて結果的に手や魂が抜けちゃう時は多々ございますが(笑)
 一つ一つの技に「これで終わってもいい。倒れてもいい。絶対スピードでは負けない」と思いながら、技を出します。そういう気持ちで練習に取り組むと、最高に気持ちいいです。疲れるけれども「幸せ」を感じることができます。おかげで、今回の稽古で多くの収穫や「気づき」を手に入れることができました。なので、自分自身 ほんの少しバージョンアップできた気がします。
 稽古や練習は、それこそ一生懸命するから結果的に価値のあるものになるのであって、手を抜いてしまったら全く価値の無いものになってしまう。それを決めるのは、教えてくれる先生ではなく、受ける側の生徒に決定権があります。
 つまり、二度と来ないその時、その時間の練習の「価値」を決めるのは、参加する人の姿勢一つです。良い時間にするのか、無駄な時間にするのかは、受講する人の考え方次第です。ですから、私にとって貴重なこの時間は、至福の時であります。そういう時間を過ごせることは、幸せ者だなと思います。私がこういう時間を過ごせるのも、皆さんのご協力のお陰です。山梨に持ち帰って、しっかりと教えたいと思います。
 思うに ベクトルが自分自身にしか向いていない人は、できない理由を探すのが得意なようです。私は忙しい、私は疲れているから今日はほどほどにしかできない、私はテスト勉強をしなくちゃならないから空手に行けない。とても自分には甘いのです。
 そんなことばかり考えているから、面白いものも面白くないし、一生懸命にやったからこそ得られる「本当の楽しさ」がわからないのだろうな と思います。忙しいけど、疲れているけど、テスト勉強だけれど、どうしたらできるかを考えなくちゃ。
 結局、いつも手を抜く人は続きません。その瞬間を一生懸命やれる人は残るのだなと。

■耳が痛い話■
 ここからの話しはご父兄にとって耳触りの良い話ではございません。私が子ども達を指導していて、ここ数年特に感じることです。
 まず、周りの大人に対して、友達のように思っている子が見受けられます。多分、その子は親を友達だと思っているのでしょう。親が子どもを友達のような関係で育てているご家庭もございますが、友達関係と親子関係は明らかに違います。友達は同等の立場で苦楽を共にする立場だと思います。親には言えないことを相談しあったり、秘密を共有したり・・・。とても大切な存在です。しかし、親は子どもを自立できるように導いていく存在です。言い方は大変悪いのですが、子育ては親から子への「洗脳」です。決して悪い意味ではございません。例えば、食べ物の好みでは、朝はコーヒー派か紅茶派か米かパンかなど、親が日本語なら子も日本語を、英語なら英語を。考え方や立ち振る舞いも同様です。親はそうやって子どもを良くも悪くも「洗脳」という教育をしながら、子の将来に責任を持ち、自分自身の人生をかけて子育てという真剣勝負の戦いに挑むのです。この戦いは本当ならば間違ったり負けたりすることは許されません。子の将来に影響するわけですから・・・。友達関係ではこのような事はできません。ダメなことはダメとしっかりと言えることが親子関係です。
 親からの資質はしっかりと受け継がれます。話しを聞いていない子、人の目を見ない子、だらしない子、時間を守らない子。全てとは言いませんが子どもがそうなら親も同じケースが多いです。困難に突き当たった時の越え方や逃げ方も親を見て学びます。逃げるのが得意な親は子どもも逃げるのが得意です。様々なことで長続きできません。
 また、小さい子の指導で、「一生懸命やって」とか「頑張って」と子どもに言うと「キョトン」とした顔になることがあります。多分、言葉の意味が解らないのですね。一生懸命って何だろう。頑張るって何だろう・・・。それは日常生活で親が子どもに見せて教えるべきものです。「お父さん仕事で帰りが遅いけど、私たちのために一生懸命に働いてくれているんだよね」「お母さんは、仕事もしながら毎日頑張って家族の面倒を見てくれているよね」など子どもに教えてゆけば、子どもは「一生懸命」「頑張る」の意味を分かってくるはずです。お父さんがお母さんの悪口を言っていれば、子は母親に感謝するはずはないし、お母さんがお父さんの悪口を言っていれば、子は父親に感謝するはずもなく、父母が先生の悪口を言っていれば、子は先生に感謝するはずもなく、言うことも聞かず・・・となります。「子は親の鏡」です。

■貴重な子育て■
子育ては日々勉強です。これが100点ということはありません。子どもの成長とともに親も日々成長していきます。そして、人としての厚みや責任感など大事なことを学んでいきます。自分の子に出会えた奇跡を感謝しつつ、将来自立できるための大切なことを教えていきましょう。お父さん、お母さんも、お爺ちゃんお婆ちゃんから、そう育ててもらっているはずです。
 私たちは、空手という武道教育を通じて、父母に感謝し、この先にやってくる大変な時代を乗り越えることができるような人づくりのお手伝いをさせていただきます。立派じゃなくても良い、地道にコツコツと、そして、人の痛みが分かり、人を大切にし、何事にも一生懸命取り組むことができる、そんな大人になってもらいたい。

この記事を書いたプロ

伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部)

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