【男女トラブル・マッチングアプリ】パパ活で会った相手に、自宅までついてこられたら?

若井亮

若井亮

テーマ:男女トラブル

この記事は、2026年10月時点の法令(ストーカー規制法、東京都の迷惑防止条例、刑法など)をもとに作成しています。個別の事情によって取れる手段が変わることがあるため、具体的な対応はご相談のうえで判断してください。


パパ活で何度か食事をした相手や、一度だけ会った相手が、帰り道にあとをつけてきて自宅の前まで来ていた。翌日になって「家はあそこなんだね」とメッセージが届いた。こうした出来事があると、住まいを知られた不安から、何をどの順番ですればよいのか分からなくなる方が少なくありません。

 パパ活という出会い方をしていたとしても、自宅までついてこられることを我慢しなければならない理由はありません。この記事では、ついてこられた直後にすること、その行為が法律上どう扱われるか、二度目を防ぐための手立てを順に整理します。パパ活をしていたことを理由に相談をためらっている方に向けた説明も加えています。

自宅までついてこられた直後にすること


危険を感じたら110番をためらわない

 相手が家の前に居座っている、ドアを叩く、大きな声を出すといった状況で身の危険を感じたときは、迷わず110番してください。「パパ活の相手だから」「自分にも落ち度があるかもしれない」と考えて通報を控える必要はありません。通報の際は、相手が今どこにいるか、どのような様子か、相手について分かっていること(呼び名、外見、車の有無など)を伝えます。

ドアを開けず、外に出て話をつけようとしない

 相手から「少し話したいだけ」と言われても、ドアを開けたり、外に出て話し合ったりすることは避けたほうが安全です。その場で関係を終わらせようとして強い言葉で応じると、かえって相手の感情を刺激してしまうこともあります。話し合うべき事柄があるとしても、日を改め、第三者を間に入れて進めるほうが落ち着いて対応できます。

その日のうちに残しておきたい記録


  • ついてこられた日時と、どこから自宅までついてこられたかの経路。
  • 自宅前やマンションの共用部分で相手がとった行動の内容。
  • インターホンの録画、防犯カメラの映像、ドア越しのやり取りの録音。
  • 相手とのメッセージの画面(ブロックや削除をする前に保存したもの)。
  • アプリ上の名前、電話番号、車のナンバーなど、相手について分かっている情報。


 記録は、後で警察に相談するときや、弁護士が相手に接触をやめるよう求めるときの土台になります。メッセージのやり取りは、相手をブロックしたりアプリを退会したりすると見られなくなることがあるため、先に保存しておくことをおすすめします。記録の残し方は証拠の残し方|あとで警察・弁護士に通用する記録とはでも解説しています。

自宅までついてくる行為は法律上どう扱われるか

 自宅までついてくる行為は、相手の目的や、その後にとった行動によって当てはまる法令が変わります。主なものを整理すると次のとおりです。

相手の行動問題になりうる法令主な対応
好意の感情からついてくる、家の近くで待ち伏せるストーカー規制法警察による警告・禁止命令、刑事手続
お金をめぐる不満など、好意以外の感情からつきまとう東京都の迷惑防止条例警察への相談、刑事手続
敷地や建物の中に入る、帰るよう求めても帰らない刑法(住居侵入罪・不退去罪)110番、被害届の提出
今後も近づいてくるおそれがある民事保全(接近禁止の仮処分)裁判所への申立て


ストーカー規制法の「つきまとい等」にあたる場合

 ストーカー規制法は、恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことへの恨みの感情を満たす目的で、相手につきまとったり、住居の付近で見張ったり、住居に押し掛けたりする行為を「つきまとい等」として規制しています(同法2条1項)。警察の運用上、「好意の感情」には恋愛感情に限らず親愛感なども含まれると解されています。パパ活の関係は交際とは言い切れないことが多いものの、相手が好意を抱いてついてきたのであれば、この法律の対象になる可能性があります。

 つきまとい等を繰り返すと「ストーカー行為」となり、刑事罰の対象になります。一度だけの場合でも、さらに繰り返すおそれがあると判断されれば、警察が相手に警告を出したり、公安委員会が禁止命令を出したりすることがあります。禁止命令に違反してストーカー行為をした場合には、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金という重い罰則が定められています。

好意ではなく、お金をめぐる感情からついてきた場合

 パパ活では、「渡したお金を返してほしい」「約束を守らなかった」といった金銭面の不満から、相手が自宅まで来ることもあります。好意の感情によるものではないと評価されると、ストーカー規制法の対象から外れることがあります。

 東京都の迷惑防止条例は、ねたみや恨みその他の悪意の感情を満たす目的でのつきまといなども規制しており、ストーカー規制法が使いにくい場面でも対応できることがあります。また、仮に相手の言い分に一理あったとしても、自宅に押し掛けて要求する方法まで正当化されるわけではありません。どの法令が当てはまるかは警察が事実関係を見て判断するため、ご自身で決めつけず、経緯をそのまま伝えることが大切です。

敷地や建物の中に入った、帰らない場合

 相手が無断で玄関先や敷地の中に入り込んだ場合は住居侵入罪(刑法130条前段)、帰るよう求めたのに居座った場合は不退去罪(同条後段)が問題になります。マンションの共用廊下や階段であっても、管理されている建物の中に正当な理由なく立ち入れば、問題になることがあります。法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。詳しくは職場・自宅に押しかけられた|住居侵入・不退去・業務妨害の使い方をご覧ください。

パパ活をしていたことで相談をためらっている方へ

 自宅までついてこられた方の中には、「パパ活をしていたことを警察に話したくない」「家族や職場に知られるのが怖い」と考えて、相談を先延ばしにしてしまう方がいます。

 18歳以上の人どうしが食事やお茶をともにし、その対価としてお金を受け取ること自体は、犯罪にはあたりません。性的な関係があった場合、売春防止法は売春を禁止していますが、当事者が単に売春をしたことやその相手方になったことについては刑事罰が定められていません。パパ活で知り合った相手だと警察に伝えたからといって、それだけで相談した方が処罰されるわけではありません。

 一方で、どちらかが18歳未満であった場合には、関わった大人の側が児童買春などの罪に問われることがあり、扱いが大きく変わります。こうした事情があるときは、JKビジネス・パパ活で相手が18歳未満だったら|客に問われる刑事責任のすべてもあわせてご確認のうえ、早めに弁護士に相談して状況を整理することをおすすめします。

 弁護士には守秘義務があり、ご相談の内容がご本人の了承なく家族や職場に伝わることはありません。警察への相談に弁護士が同行することもできます。

二度目を防ぐための手立て


警察に相談し、警告や禁止命令を検討してもらう

 自宅を知られたこと自体が、不安の大きな原因になります。警察に相談すると、事案に応じて、自宅周辺の見回り、防犯上の助言、相手への指導や警告などが検討されます。ストーカー規制法は近年の改正で、被害者からの申出を待たずに警察が警告を出せるようにするなど、早い段階で介入できる仕組みが整えられてきています。

 相談の際は、先に整理した記録を持参すると状況が伝わりやすくなります。対応した担当者の名前と相談日を控えておくと、次に相談するときに経緯を引き継いでもらいやすくなります。警察と弁護士のどちらに先に相談するか迷う場合は、【ストーカートラブル】警察と弁護士のどちらに先に相談するか|ストーカー被害での順序も参考にしてください。

弁護士を窓口にして、接触をやめるよう伝える

 相手が「話がしたい」「お金のことで決着をつけたい」と繰り返している場合は、弁護士が代理人として窓口になり、今後は本人に直接連絡したり自宅を訪れたりしないよう書面で求める方法があります。相手の求めている事柄に法的な根拠があるかどうかも、代理人を通じて整理できます。接触しないという約束や、約束に反したときの取り決めを合意書にまとめることもあります。

 それでも接近が続くおそれが高い場合には、裁判所に接近禁止の仮処分を申し立てることも考えられます。警察による手続との使い分けは接近禁止を実現する2つの道|ストーカー規制法(警察)と民事保全(裁判所)の使い分けで解説しています。

住まいと連絡手段を見直す


  • マンションの管理会社や大家に事情を伝え、防犯カメラの確認や不審者への対応を相談します。
  • 同居する家族がいる場合は、相手の特徴と、来訪があったときの対応を共有しておきます。
  • アプリやSNSの位置情報の設定や、投稿した写真から住所が推測されないかを点検します。
  • 不安が続く場合は転居も選択肢とし、転居先を知られないための手続を先に確認しておきます。


 建物の管理側にできることは【ストーカートラブル】自宅マンションに来られている|管理会社・オートロック・防犯カメラでできること、転居する場合の手続は【ストーカートラブル】引っ越した先を知られないための手続の順序で取り上げています。

お金の話を持ち出されたときの考え方

 相手が自宅まで来た背景に、「渡したお手当を返してほしい」といった金銭の要求があることもあります。一般に、会うことの対価として受け取ったお金や、贈与として受け取ったお金は、後から一方的に返すよう求められても、当然に応じなければならないものとは限りません。ただし、借りたお金や、条件付きで受け取ったお金は事情が異なります。

 どのような性質のお金かによって結論が変わるため、自宅に来られたことへの対応とは分けて考え、その場で支払いの約束をしないことが大切です。お手当をめぐる考え方はパパ活の「約束したお手当」トラブル|口約束・条件変更でもめたらで整理しています。

よくあるご質問


一度ついてこられただけでも、警察に相談してよいのでしょうか

 相談してかまいません。一度だけであっても、自宅を知られて不安を感じているのであれば、警察に状況を伝えておく意味があります。その後に同じようなことが起きたときに、以前の相談が経緯として生かされることがあります。一度だけの行為と繰り返された行為の違いは、連絡は1回だけだった|つきまとい等とストーカー行為の違いで解説しています。

相手の本名や住所を知らなくても、対応してもらえますか

 パパ活では、相手のアプリ上の名前や連絡先しか分からないことが珍しくありません。それでも警察への相談はできます。弁護士が代理人として動く場合も、分かっている連絡先を手がかりに通知を送ったり、必要に応じて相手を特定する手続を検討したりします。手がかりになりそうな情報は、消さずに残しておいてください。

自宅を知られた以上、引っ越すしかないのでしょうか

 必ずしも転居が必要になるわけではありません。警察の警告や弁護士からの通知によって、接触が止まることもあります。一方で、相手の言動や、ご自身の不安の大きさによっては転居を選ぶ方もいます。急いで決める前に、どのような手立てがあるかを確かめたうえで判断するとよいでしょう。

関連する解説記事



ひとりで抱え込まずにご相談ください

 パパ活で会った相手に自宅までついてこられると、出会い方を気にして誰にも話せず、不安を抱えたまま過ごしてしまいがちです。まずは身の安全を確保し、記録を残したうえで、警察や弁護士といった第三者を間に入れることが、二度目を防ぐ近道になります。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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