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コラム

こだわりの100年住宅

2021年2月2日 公開 / 2021年2月8日更新

テーマ:建築

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 注文住宅DIYゼロエネルギー 住宅

 アメリカの住宅平均寿命は約100年、フランスは約90年なのに比べ、日本の住宅の寿命は約40年といわれていることをご存知でしょうか。
 実は、この40年という数字が算出された解体工事の中には、寿命以外の理由で解体されたものも多く含まれています。まだ寿命を迎えていない住宅も更地にして売ったり、家族構成が変わったから建て替える等の理由で解体されてしまうのです。
 ライフスタイルの変化とともに家を建て替えるのではなく、子供や孫の代までにも住んでもらえる、愛着のある家を建てませんか?
 今回は、そんな百年住める家づくりのためにこだわってほしいことを、木造建築に限ってお話します。

建築工法のこだわり

 最近よく耳にする「2×4工法」は、低コスト住宅も可能で、耐震性や耐風性に優れています。地震大国の日本では耐震性は重視したいことですよね。
しかし、2×4工法は“面”で構成していく、つまり「箱」のようなかたちになるため、開口部を大きくとったり、壁を抜いてリビングを広くする…なんてことも構造上難しくなります。


 「木造“枠”組壁工法」に代表される2×4工法とは対照的な工法として、日本の伝統的な住宅工法である「木造“軸”組工法(在来工法)」があります。
 日本の住宅の約8割は木造軸組工法といわれており、昔から建てられてきた工法で、柱と梁の軸組によって組み立てていく、つまり“線”で家を組み立てるイメージで、“面”で組み立てていく2×4工法(を含む木造枠組壁工法)とよく比較されるのです。
 古民家再生という言葉も耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
古民家とは築50年以上経過している木造軸組工法の民家のことです。現在、古民家をリフォーム・リノベーションを行うことが多くなってきましたが、木造軸組工法は2×4工法と違って、リフォームを繰り返すことによって家の寿命を延ばすことができます。そのためには、柱や梁だけは何十年たっても丈夫な木材を選ぶ必要があります。

木材のこだわり

 木材にこだわることで、色・艶・香り・強度が増していきます。当社では、木を選ぶときには、代表が自ら足を運び長年の経験から培った感覚で木の目利きをします。職人としての長年の経験や予算をもとに最適な木材を選定することができます。
では実際にどんな木材を選べばいいのでしょうか。

人工乾燥材と天然乾燥材


「人工乾燥材」は、機械を使って短期間で強制的に乾燥させたもの。
短時間で使えるようになり、材によって捻れや狂いといったバラツキが少ないというメリットがある反面、木の組織が死んでしまい、油分・香り・色・吸湿能力などを失っていまいます。
強度の面においても、完成直後が最大強度で、そこから徐々に劣化していきます。また、内部に割れが生じ、表面に割れが出にくいため、突然耐力が低下し、破壊してしまう危険が高くなってしまいます。
プレカット住宅に使われている木材は、ほとんどがこの人工乾燥材になります。

「天然乾燥(自然乾燥)材」は、屋外に桟積みして置いておき、自然に乾燥させたもの。
時間がかかり(半年~1年以上)、環境に左右されるというデメリットはありますが、時間をかけてゆっくり乾燥させるので、油分を失わず粘り気のある強い材木になります。
強度も、完成直後から、生きた年数かけて最大強度になると言われています。
(樹齢100年の木であれば、100年かけて最大強度になる)
しかし、天然乾燥材は、収縮・反り・曲がりなどが生じるため、木の癖を見極めて、使用箇所を考え、加工する必要があります。

集成材と無垢材



「集成材」とは、小さく切り分けた木材を乾燥させ接着剤で組み合わせた「人工」の木材。
強度や品質が安定しているので、扱いやすく、多くの工務店や住宅メーカーから選ばれている木材ですが、接着剤を多用するという事により劣化が早く、耐久性は低いといわれています。

「無垢材」は、伐採した木を乾燥させて作った「天然」の木材。
調湿効果や強度的な観点から見た粘り強さ、見た目の美しさ、木の本来の香りと言った数々の優れた特徴を持ちます。
一本の太い丸太から挽いて得た板で接着などの加工を施しておらず、そのままの木目や質感を楽しむ「一枚板」や、希少でブランド価値の高い種類の木から切り出すなどして、美しい・珍しい木目、目の詰まった年輪、色、艶等を呈している「銘木材」も無垢材の一種です。しかし、天然乾燥材同様乾燥が不十分だと、長年使っている内に乾燥し、割れたり、反ったりしていきます。

風土に合った木材

また、「その地域の木材を選ぶこと」も寿命を延ばす1つの方法にあります。
地域材は地元の気候、環境に適応しながら育っているため、地元の環境に合っており、長持ちするといわれています。
最近では外国産の木を使うことも多くなっていますが、やはり外国産の木を使うと寿命は短くなってしまうでしょう。日本内でも沖縄と北海道では風土が全く違いますよね。
家を建てる土地の地域材を選ぶことが、家のためにもなり、地域のためにもなります。

まとめ


今回は、100年住宅ということで、子供や孫にも残すことができる家づくりについてお話ししました。
 当社では、できるだけ天然乾燥材を使用し、手作業で加工を行い、木の特性を最大限に活かした家づくりに取り組んでいます。家は一生に一度の大きな買い物です。

様々な家づくりができる時代です。何十年でも住んでいたいと思えるような、子供たちや未来に残せるような家づくりの参考にしていただけるとうれしいです。

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