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栗原憲二(くりはらけんじ) / 薬剤師

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コラム

17秒に気をつけろ!

2023年7月1日 公開 / 2023年7月3日更新

テーマ:在宅医療、ナラティブ医療

コラムカテゴリ:医療・病院

 おはようございます。富士市にて在宅医療に携わるふじやま薬局の薬剤師、栗原です。

 休憩時間に本棚を整理していらない本でも売りに行こうとしていたところ、いつ手に入れたのかわからない本が出てきました。タイトルは『超一流の雑談力』。https://amzn.asia/d/b1SFOcv

 タイトルは会社の研修会?的な雰囲気のある本でもありますが、自分が期待していた以上に良い学びの時を過ごすことができました。

1)本から学ぶ「超一流」

 「超一流の雑談力」というからには、この本の筆者は、「超一流」の仕事人に普段から接し、彼らの特徴を観察されておられるのだろうと、まずは思いました。
 仕事は、周りの人たちを観察することで覚える面もあります。実際、二十代の体力有り余る頃に出会ったビジネスマンから学んだことは、その人の一生の財産にもなるものです。でも、全ての人にそういう「チャンス」があるわけでもないでしょう。ですから、「超一流」を知っている人の書いた本からも、何かしら貪欲に学ぶ必要がやはりあるのだと思います。

2)仕事を得る雑談力

 「雑談力」というからには、何か面白い話をして周りを惹きつける術みたいなものを学ぶ本なのかな?とも、多くの人は思うと思います。

 でもこの本は、その種の「話法」に関する本とは少し趣が違います。

 この著者の言う「雑談」には、明確な目的があります。一言で言ってしまえば、それは仕事を取ることが出来るかどうかの雑談力ということになります。この目的に向かって、雑談の起こし方から目的達成に至るための「雑談力」の解説がなされている本なのです。

3)17秒に集中しろ!

 雑談は、著者によると「17秒」が勝負なのだそうです。17秒を過ぎてしまうと人間は集中力が削がれてしまう。だからこの17秒で目的に達するための雑談の記述について教えてくれるのです。17秒というのは、とても短い時間だとも言えると思いますが、人と会って話す17秒間というのは、実際のところ、結構長く感じるものだと思います。私も、薬剤師として薬局で患者様と会話をする時間は、それこそ17秒もないこともありますが、それで大体、患者様の人となりについて、結構な情報を集めることができるものです。

4)情報収集法

 当然、雑談をする以上は、話すネタを持っていなければなりません。日本経済新聞はじめ、普段から、ある一定以上の人たちが目にしている情報源に目を通しておく必要も、当然著者は訴えます。「Yahoo!ニュースよりは日本経済新聞」と著者は記します。なるほどそうだと思います。Yahoo!ニュースは雑談のきっかけは与えてくれますが、それだけだと相手に興味を持ってもらえる情報はありません。「この人から話を聞きたい」と相手に思ってもらうためには、より専門性のある、深掘りした情報が必要になってきます。

 最近は当然ならがスマホを使って情報を検索するという手法も重要になってくるでしょう。Yahoo!ニュースを読むにしても、そこで得た情報に一手間加えて、より専門性があり確実性のある情報を手にしておくことを積み重ねていくと、周りから見てその人の持っている情報の価値は、当然ながら一目置かれることになるでしょう。

 以前、『0秒思考』というメモ書きについての解説本を書かれている赤羽雄二さんから「普段からGoogleアラートで最新の情報を集めておくように」というテーマの学習会に参加させていただいたことがあります。https://amzn.asia/d/7atN6j0
 Googleアラートに自分の職業に関わるキーワードを入れておくと、Googleが勝手に最新の情報を集めてメールで教えてくれるというシステムです。言ってみれば、自分で意図的に検索キーワードをかけなくても、向こうから、自分の仕事や関心に関わる最新情報を教えてくれるのですから、これは仕事人としては使わない手はないですね。

 でも、こちらが話すネタを持っている以上に大切なことは、相手に話をさせることです。こちらが知っている情報は、相手から話を聞き出すとっかかりを手にする意義の方が大きいと言えます。

5)相手の興味、こだわりにアンテナを張る

 相手に話をしてもらう(自己開示してもらう)ための質問の仕方、反応(リアクション)の仕方も指南してくれています。相手に気持ちよく「喋っていただく」ためのリアクションの仕方が紹介されています。例えば一つの方法として著者は「何か特別なことをしているのですか?」というフレーズをよく用いられるのだそうです。

 何か相手が話す以上は、実のところその背景には膨大な情報と、そこから導き出された「判断」があると考えるのが妥当でしょう。その判断には、その話し手が、特別に興味を持っている事柄や、特別にこだわっていることが関係していると見るべきです。その「興味」や「こだわり」を、相手に話していただくこと・・。そうすれば、相手もまたこちらにも興味を持ってくれる。それが自然な人間の反応ですね。

6)選択肢を用意する

 先ほども触れましたが、この本は単なる「雑談」をする術を教えてくれる本ではありません。相手と一緒に仕事を展開していくためのきっかけを手にするための本です。ですから相手の話を引き出すと同時に、それが自分の仕事と繋がる要因を見つけ出さなければなりません。何も雑談目的で相手の仕事場に出向いたり会食しているわけではないのですから、当然と言えば当然です。仕事を得る、つまり自分から提供できる仕事の提案につながるための話の筋を、相手側との「雑談」で描き出していかなければならないわけです。

 仕事の提案に至るまでの筋道を描き出すには、当然、こちら側からの提案できる複数の選択肢を持っていなければならないとも言えるでしょう。こちらにそれらの選択肢がなければ、それを持つための努力も必要になってきます。事業提案を会社内で行い、必要性を会社内で共有しておく必要もあります。またそれらのサービスについて、自分で学びを続ける必要も当然あるでしょう。

 このように考えてくれば、「雑談力」というものは、単にお話が上手であるといったことではなく、自分が努力すべき課題のありかを知っているからこそ手にできるものだとも言えるでしょう。

7)最善の解決策は?

 私も、薬剤師として働いているからといって、なんでも薬で解決できるなどとは思っていません。人との関係の問題、生活環境、一人ひとりに必要なサービスや、解決すべき問題の発見(隠された疾病、家庭の事情など)など、取り組むべきことは多いです。お薬による解決は、それらの中の一つの選択肢として覚えています。

 薬剤師である以上は、医師や看護師よりもお薬について詳しいのは当然。そのための努力もしていかなければならないと考えていますが、だからと言って、なんでも薬で解決できるわけではない・・。患者様にとって本当にイチバンな解決法がなんであるのか。それをこれからも考えていきたいと思っています。

 在宅医療など、詳しい情報が必要であればぜひ教えさせてください。お問合せお待ちしております。

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