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小泉達治

商品企画から販売促進まで支援するデザインの専門家

小泉達治(こいずみたつじ) / アートディレクター

有限会社コイズミデザインファクトリー

コラム

デザインコンサルティングという考え方 6

2017年5月27日 公開 / 2020年11月20日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

経営のコンサルティングとデザインという領域

ビジネスを展開する上で経営コンサルタントのお世話になるということがありますが、経営コンサルティングとは、経営上の様々な無駄を省き、そのクライアントの現状を客観的に判断しながら、成功や失敗の事例から膨大なデータを収集・分析し、それを元にアドバイスや指導することでクライアントを成功に導くものです。最近では細かく各業種ごとに経営ノウハウをアドバイスするというスタイルが多くなってきましたが、大きなビジネスの流れの中でその会社の方向性を決める手助けをするというのが大きな目標でしょう。
本来であればその会社の将来を決める重要なことですから、クライアント自身で決めるのが基本ですが、膨大な成功事例やノウハウを持った経営コンサルタントのお世話になるというのも方法論としては正しいでしょう。今後もますます混迷する経済状況が続くと考えられる以上は、その傾向がますます強くなっていくと考えられます。
では、経営コンサルタントのアドバイスを受けて会社の方向性が決まったら、そのクライアントは具体的に何をすればいいでしょう?
当然のことながらそのアドバイスにあった商品やサービスを開発し、ロスなく販売を拡大させ、業績を上げていかなければなりません。経営コンサルタントから得た情報やノウハウに基づき実際のビジネスを展開してゆかなければなんの意味もないのです。
でも、実はここからが大変なのです。
方向性に合わせた商品やサービスと言ってもそれはどういうもので、どんなふうな売り方で、どんな人達に、どういうイメージをもたせ、どういう満足を与えるか、そして一つ一つの精度を高め、そこに独創性や話題性を盛り込みながら展開するーーーーー。
これができなければせっかくのコンサルティングも絵に描いた餅となってしまいます。
最近では、専門性の高い経営コンサルタントがその業種ごとのトレンドやノウハウをアドバイスしてくれるというレベルの高いところもありますが、最終的にその商品やサービスが成功するかどうかはそのクライアントが生み出すものの完成度であり、そのクライアント自身の企画力や展開力にかかっているのです。

ところが、実際は「それができないから経営コンサルタントを頼んでるんだ」というクライアントが多く、その「企画力」自体の中身も他力本願になりがちです。でも、経営コンサルタントが教えてくれるのは「膨大なデータ」や「成功事例」から導き出した「方向性」であり、実際に展開するのはクライアント自身です。
では、実際にそのアドバイスをどうやって展開すればいいのでしょう。
もちろんその道のプロであるそのクライアント自身が「企画力」を発揮し、展開していくのが大切です。
しかし、その商品自体をなんとか企画できても、はたしてそれを売れる商品にするためにどう飾り立てればいいのかが難しいのです。商品自体のデザインを考え、ネーミングやロゴを用意し、パッケージやカタログ、パンフレット、ポスターなどの販促物を手配し、最大の要因であるインターネットを活用した販促を展開する・・・・・そこがたいへん難しいのです。

デザインコンサルティングの重要性

そこで一般的に行われているのが「プロ」に任せるという方法です。
ネーミングやロゴデザインをデザイン会社や企画会社に依頼し、パッケージや印刷物は専門の印刷業者に依頼、ホームページやECサイトはWEBの制作会社、イラストや写真が必要なときは印刷物を依頼した印刷会社にまとめて面倒を見てもらう・・・・・。
これが最も一般的な方法論です。
しかし、この方法では前述のように最初の商品企画のポリシーやコンセプトが正確にエンドユーザーまで届くとはとうてい思えません。
そのプロジェクトの出発点である「商品企画」から最終到達点である「エンドユーザーの購入」までをトータルに見ることができるのがそのクライアント自身だけだからです。プロジェクト全体を大きく見渡し、最初の商品企画のコンセプトをスムーズにエンドユーザーまで伝えるためには、一貫したポリシーのもとにデザイン戦略を考える立場が必要なのです。
それにはそのクライアントの商品に対するポリシーやコンセプトを理解した高度な経験と知識を持ったデザイナーが必要です。商品企画から販促物のデザイン、WEB戦略など多岐にわたる経験や知識を有し、実際にデザインやディレクションができる人材が必要です。そしてそのデザイナーとクライアントが密な関係を構築し、ビジネスの様々な場面で必要となるデザインの完成度を高めていくことが重要です。
以前は広告代理店のディレクターや印刷会社の企画営業と呼ばれる人たちがその役目を買って出たものですが、実際はそこまでの役割をはたすことは不可能で、単に外注デザイナーとの連絡係で終わっている場合が多く、そのうえWEB戦略の高度化でますます専門性が高まったため、現状ではそれぞれの専門業者に委ねるしか方法がなくなっています。
しかし、それでは最も重要な「コンセプトの正確な伝達」が難しくなる・・・・・。

そこで重要となるのが「デザインコンサルティング」という考え方です。
次回はその「デザインコンサルティング」について書かせていただきます。

この記事を書いたプロ

小泉達治

商品企画から販売促進まで支援するデザインの専門家

小泉達治(有限会社コイズミデザインファクトリー)

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