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海江田博士

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

人生を豊かにしてくれるものだったらいいんじゃないの―我が家にアートがやってきた―後編

2023年3月24日

テーマ:人生を考える

コラムカテゴリ:くらし



明日一緒に観に行かない?

ひとりぶらっと散歩に出た先の画廊で出会った一枚の絵。ひどく気に入ったものの、とても衝動買いできるものではありません。
強力に勧めてくる画廊の女性オーナーをかわすために、「カミさんに相談します。」と逃げをうった私。ダメもとでカミさんに相談してみることに・・・
さて、この日の夕飯も、娘や孫たちと一緒にとることになったので、食事のあと、恐る恐る切り出してみました。
「あのさあ、昼、散歩に行ったじゃない。その時、広尾の明治屋と同じビルにあるギャラリーに寄ったんだよ。」
「ああ、あの画廊ね。」
と、カミさんも娘たちも、どこのことかすぐにわかりました。
「で、すごく気に入った絵があったんだけど・・・」
「ふーん、そうなの。どんな絵なの?」
「ブルーを基調にした抽象画なんだけど、すごくきれいなんだよ。明日にでも一緒に観に行かない?」
カミさんもブルーは好きな色なので、ひょっとしたら気にいるかも知れないなと思いました。

「へ!?!」と拍子抜け

さて、ここまでは良かったのですが、このあと、肝心な話を切り出さなければなりません。
「で、できれば、初めてのことだけど、買っちゃおうかなあ、なんて思ったりしてさ。」
「あ、そう。一緒に観に行ってもいいわよ。それで、いくらくらいするの?」
そらきた!ここからが勝負どころであります。腹を据えてかからなければなりません。「ン十万円なんだけど・・・どうかな?」
と、言葉を絞り出します。
さ、雷が落ちるかどうか・・・心の中で首を縮めて返事を待ちました。
すると
「いいんじゃないの。気にいったんなら。」
「へ!?!」拍子抜けがしました。こんなにあっさりOKが出るとは思いもしませんでした。

あら、きれいな絵じゃないの

ここで『ほんとにいいの?そりゃまたどうして?』などと、いらんことを畳みかけるとやぶへびにならないとも限りません。
「じゃ、明日、一緒に観に行こうか。」
と、ここでその話はあっさりと打ち切りました。
さて、次の日、カミさんと次女親子と一緒に、昨日と同じ散歩がてら件(くだん)の絵を見に行くことになりました。ちょうどお昼の時間に広尾に着いたので、画廊と同じビル内にあるお蕎麦屋さんで昼食をとります。
食後、いよいよ画廊へと向かいます。絵は昨日と同じ場所に展示されていました。
「この絵なんだけど。」とカミさんと娘に案内します。「あら、きれいな絵じゃない。抽象画なのね。」

抽象画はよくわからないのだけれど

そうなのです。私は、その色彩に魅了されたのですが、いかんせん抽象画なので、何を表現しているのかよくわかりません。ま、抽象画なのですからそれでいいのかも知れませんが。
ちなみに昨日聞いた話では、絵の題名は「川のそばの矢車菊」というものでした。私はてっきりきれいなブルーが川を表しているのだろうと思ったのですが、ブルーは矢車菊で、川はベージュのような色で表現されていました。
まあそもそも、抽象画というのは、よくわからないものです。この美しいブルーが、その南アフリカに咲く「矢車菊」とやらを表しているのだとしたら本物の花を見てみたいものだとも思いました。

ライティングが大事

その日画廊には、昨日の女主人はいなくて、店を任されているらしい中年の女性が一人いました。彼女も昨日のことは覚えていて、私がカミさん連れで来ているのを見ると「いかがですか。奥様にも気に入っていただけましたかしら。」と話しかけてきました。
「カミさんもおおむねOKなんですが、もっとよく観てみたくって・・」と伝えると、「そうですか。それでは廊下のライティングでは不十分ですので、中のちゃんとした照明の下で観てみましょう。」と、言う話になったのです。
そこで、廊下に展示されていた件の絵をいったんはずして、ギャラリーの中に飾ってあった絵の場所と交換することになりました。『なんか、えれーことになったな・・・』と思いながらも絵の付け外しを手伝います。

この絵ですが、ライティングの関係で色がいまいち

この絵、やっぱりいいなあ

初めに飾られていた絵をはずすとき、彼女が「こちらの絵は1千万クラスですのよ。」と教えてくれました。『ひぇーっ、スーパーが入っている同じビルの中にそんな高価なものが売られているんだ!』と、今さらながら土地柄の違いに驚かされます。
そうやって、移動し終えて改めて件の絵を観てみると、ちゃんとしたライティングの下では、ブルーの色遣いが一層際立って見えます。『やっぱりいいな・・・』と、心の中で思います。カミさんも「いい絵なんじゃない。すごくきれいだし。」と気に入ってくれたようでした。
ということで、購入の契約を済ませ、後日、絵画専門の運送業者に鹿児島の家まで送ってもらうことになりました。こうやって、私がこれまで生きてきた中で最大の衝動買いは決着したのです。

海の色との調和が絶妙

さて、購入してから約2週間、少し時間はかかったものの、件の絵が我が家に到着しました。慎重に荷を解いて中身を取り出します。それまでかかっていた印刷物の絵画をどかして壁にかけてみました。
リビングの西側は、比較的広くて真っ白な壁なので、この大きな絵は映えます。こうやって、我が家にアートがやってきたのでした。
荷物を解いたのは夜だったので、リビングのライトを絵が映えるように調節してみました。次の日は、昼間の陽光の中で改めて眺めてみます。
どちらの光の中でも私が魅了されたあのブルーは、この上なくそのポジションに調和していました。私が予想した通り、青い空と海が直接見える我が家のリビングに、この絵はぴったりとはまっていたのです。

海の色といいコントラストを

そもそも衝動買いって・・

考えてみれば、購入する一日前、ふらっと散歩に出た先での出来事でした。出かけるときに、こんなことになろうとは夢にも思いませんでした。まさに絵にかいたような衝動買いといっていいでしょう。
普段生活している中、ときどき購入するものとして、最も高価な買い物はやはり車だろうと思います。一番高価な買い物は家でしたが、これは普通一生一回きりでしょう。
ま、普通に考えれば、家や車を衝動買いすることはありません。特に私の場合、車については同じ車種(スバルのレガシーといいます)を買い続けていますから、なおさら衝動買いということにはなりません。
以前、ちょっと値の張るコートを購入したことはありましたが、これも、セールになるまで我慢しました。しかも車や服は実用品です。完全に実用品ではないものでこんな買い方をしたのは初めてのことでした。

人生を豊かにしてくれるものだったら

それにしても、いつも服や靴を買うと、文句たらたらのカミさん(特に靴はうるさい)が、今度は何も言いませんでした。カミさんは案外こういうものには理解があるのかも知れないな、と思いました。
今回のことで、これまで私の買い物にカミさんが怒っていたのは、きっとお金のことだけではなかったのだろうな、と心の中で推察します。服や靴といった安直なものではなく、もっと本質的に「人生を豊かにしてくれるものだったらいいんじゃないの。」ということなのでしょうか。
とはいえ、私の人生これまでで、一番大きな衝動買いでした。まあ、こんな買い物は最初で最後だろうと思いますが・・・

ステンドグラスや石壁との調和もいいようで・・

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