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コラム
観光産業から日本の産業構造の問題点を考えるⅥ
2016年12月22日
この「成功体験依存症」という病からなかなか抜け切れない原因には、そこに至るまでの一つのパターンが影響しています。
それは「偶然その立地がよかったので成功した。」「偶然選んだ商材が当たったのでうまくいった。」というように「偶然性」に依拠しているという点です。
つまり、「苦労して勝ち取った」或いは「選び取った」というよりは、たまたまそうなったからうまくいった、というケースが多いのです。
観光地の場合、商材の良し悪しはあまり関係なく、昔からの立地の良さによってこれまでうまくいってきたにすぎないのではないでしょうか。
「知恵出しの放棄」というよりも、もともと知恵を出す習慣も必要性もなかったので、どうやったら智恵が出せるかわからない、といった状況なのでしょう。
しかしながら現代のビジネスがこれで済むはずもありません。
更に変革を阻む要因として、「業界の常識」という奴があります。
タブーやルールとまではいかないが、なんとなくこれまで守ってきた業界内での慣習のようなもののことです。
大抵は、長い間業界内で「当たり前」のこととして共有されてきた考え方や習慣なので、外から見てかなり奇異に映っても当の本人たちは気がつかないのです。
これも変革の一歩を踏み出す際の阻害要因になりかねません。
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