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コラム
観光産業から日本の産業構造の問題点を考えるⅤ
2016年12月21日
さらに、こういった状況に関しては以下のように指摘しています。
― そもそも「客が来るから店を開く」という発想自体がおかしくて、いかに客にきてもらえるかという「知恵出し」を放棄してしまっているわけです。
夜も開いて、夜来てもらえる営業企画を考えよう、朝も開けて商売になるにはどうするか、ということにはならないわけです。
これには、地方の観光産業が地縁型事業であり、家族型事業であるという側面が強くあります。
地縁型事業だからこそ、もし横並びルールを逸脱し、地域でにらまれると営業が行いにくくなる。
「ムラ社会システム」を壊してまでリスクは負いたくない。
さらに家族型事業だから、無理してまで業績を伸ばすのではなく、一定の規模を維持できればそれで十分という思考になりがちです。
何より、黙っていても、有名な観光拠点があるために、一定の集客を実現できる立地の土地・不動産を保有して営業していればどうにかなる、という恵まれた観光地ほど、この傾向は強いのです。―
ここに書かれている「知恵出しの放棄」という指摘は、先述の「成功体験依存症」によってもたらされる症状の一つでもあります。
なおかつ最も根の深い症状の一つと言えるのではないでしょうか。
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