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コラム

慢性的な頭痛の痛みの原因は?頭痛に潜む気をつけるべきポイント

2019年11月3日 公開 / 2020年11月9日更新

テーマ:頭痛の症状・原因

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 頭痛 原因頭痛 対策



いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
ホームページやブログですでに紹介している内容です。
頭痛の症状・原因シリーズです。
慢性的な頭痛の痛みの原因は?頭痛に潜む気をつけるべきポイントについて書いてみました。
【概要】
日常生活において、繰り返し起こる頭痛には、その特徴や原因に違いがあります。
ここでは、慢性的な頭痛にはどんなものがあるかを紹介します。

頭痛は原因の特定が難しく、慢性頭痛だと思っていても、命の危険がある病気で頭痛が起きていることもあります。
たびたび頭痛が起きている人は、自己判断で治そうとせずに医師の診察を受けるようにしてください。

慢性頭痛の種類と特徴について

慢性頭痛とは、とくに病気などの原因がないのに頻繁に頭痛が起きることを言います。
多くの日本人が、このような頭痛の経験を持っていると言われています。

慢性頭痛は、主に4種類あります。
※注( )内は患者数

(1)片頭痛 (840万人)
頭の片側か両側が、心臓の脈に合わせるように「ズキンズキン」「ガンガン」と痛み、吐き気を伴うこともあります。
月に1~2回、起こる人もいれば、週に2~3回というように、頭痛の頻度はさまざまです。
20代~40代の女性に多いとも言われており、生理痛の頭痛はこの頭痛に分類されています。

片頭痛の原因は、精神的ストレスや逆にストレスから解放された時、寝不足・寝過ぎ、月経サイクルによるものなどがあります。
いずれも、頭の中の血管が広がり、痛みの物質が血流にのって周囲の神経に刺激を伝えることで頭痛が起きると考えられています。

(2)緊張型頭痛 (2,000万人)
頭の全体や両側、後頭部を締め付けられたように痛むのが特徴で、子どもから高齢者まで幅広い年齢層にみられます。
この頭痛は、運動不足などの身体的ストレスと、心配事などの精神的ストレスが原因で起こります。
これらのストレスによって、首筋から肩にかけての筋肉が硬直し、血流が悪くなって乳酸やピルビン酸などの疲労物質がたまり、周囲の神経を刺激して痛みが起こります。

緊張型頭痛は30分ぐらいの短い頭痛から、7日間ほど続く長期型まであり、それぞれ症状にはばらつきがみられます。
発症頻度も毎日発生する人もいれば、そうでない人もいます。

(3)群発頭痛 (12万人)
目の奥や側頭部が激しく痛む、独特の症状があります。その痛みは「目の奥をえぐられるような」「柱に頭をぶつけたくなるような」と例えられるほどの激しさで、発作が出ているときは、目が充血し、鼻水が出るなどの症状もあります。20代~40歳代の男性に多くみられます。

発作のある時期とそうでない時期がはっきりしており、多くの人は年に1~2回、1~2カ月の期間、毎日のように激しい頭痛が起こります。
1日の中でも決まった時間に頭痛が起きる傾向があり、夜間に起きることが多い特徴があります。

頭痛がする時期を「群発期」と呼んでいますが、その時期を過ぎると頭痛は起こりません。

痛みは15分~3時間ほど続きます。この頭痛の原因は不明ですが、群発期にアルコールを摂取すると、数時間以内にほとんどの患者が群発頭痛を起こすことがわかっています。

(4)薬剤の使用過多による頭痛 
市販の鎮痛薬やトリプタン製剤を飲んで頭痛を鎮めているうちに、だんだん頭痛がおさまらなくなってきたら、「薬剤の使用過多による頭痛」が疑われます。
「痛くなったら飲む」薬が、「痛くならないように飲んでおく」ようになり、やがて、「飲んでも効かない」となれば、薬剤の使用過多による頭痛の可能性があります。

慢性頭痛ではない、危険な「二次性頭痛」もある

頭痛には、慢性頭痛のように、鎮痛薬を飲めばすぐに治るような頭痛もあれば、頭に痛みを感じてから、すぐに意識を失って命を落とすような危険な頭痛もあります。

このような頭痛は「二次性頭痛」と呼ばれており、若い年代よりも中年以降の世代で発症リスクが高くなります。

二次性頭痛を伴う病気は次のようなものがあります。

(1)くも膜下出血
吐き気や嘔吐を伴い、頭をバットで殴られたように痛む。

(2)脳出血
頭痛や吐き気、手足のしびれに続いて、感覚麻痺症状を起こす。ろれつがまわらない。

(3)脳腫瘍
頭の一部、または全体が鈍い痛みを感じているうちに、嘔吐が始まるような症状。

(4)慢性硬膜下血腫
1~2カ月前に、頭を強く打ったことが原因で発症する。頭痛以外に手足の麻痺や尿失禁などもある。

このような頭痛は、いつもの頭痛とは違い、痛み方や場所に違いが出たり、手足の感覚がおぼつかなくなる、言葉が上手く出なくなるといった症状が出るのが特徴です。救急車を呼ぶなどして、すぐに病院で診察を受ける必要があります。

長く続くようなら医師の診察を受けよう
日常生活に支障が出ないような頭痛であれば、医師の診察を受けず市販の鎮痛薬で痛みに対処している人が多いでしょう。

確かに薬を飲めば、今ある痛みは和らぐので、そのまま仕事などを続けることはできますが、原因をしっかりと特定しなければ、再び頭痛は起こります。

軽い頭痛でも、医師の診察を受けることで症状の改善を目指すことができます。そして、頭痛が出るたびに感じるイライラなどの精神的ストレスも軽くなります。

気づかずに危険な頭痛を放置することのないよう、長い間頭痛に悩んできた人は、一度病院で医師の診察を受けてください。

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