使用期間を考えて作っているのか⑥~ケラバも同じ
今回は塗装工事です。
前回の左官工事と同じように塗装工事も減りました。30年ほど前は
外壁の窯業系サイディングなどの塗装
軒天の塗装
内部の木枠(サッシ枠、額縁など)、階段の塗装
その他に現場によっては壁や天井の仕上げなどたくさんありました。
外壁の窯業系サイディング材は工場塗装に、軒天材も塗装済みの材料に(①に書いた軒のない家なら工事そのものがありません)、内部の枠も建材メーカーのプリントした木目シートなどをMDF(中密度繊維板)に貼ったもの、階段も同じようになりました。MDFについてはコラム「内装に本物の木材が使われなくなった③」を参照してください
30年ぐらい前は階段の工事は大工の腕の見せ所で、無垢材を加工して組み現場に取り付けてから塗装して仕上げていました。今は上記のMDFの既製品で加工もプレカットです。長さと高さと段数がわかれば工場で作ってくれます。最近は踏板だけで蹴込や側桁部分は壁紙という仕上げもあります。
余談ですが、階段の工事は上下階の部屋をつなぐ唯一の工事で斜めに掛けて階段の段数を割り付けて作ることと、壁の仕上げが上と下で異なった場合は両方の壁の納まりを考えて作らないといけません。現在は内部の壁はほとんどボードに壁紙なのでそんな心配はありませんが、昔は1階が真壁、2階は大壁などと上階と下階で仕上げが違うことなど当たり前にありました。大工は上下の壁の納まりの違いを頭に入れて階段工事をしました。階段が作れて一人前などと言われたのはそのためです。
左官と塗装工する事が減った共通の理由は何より時間がかかるからです。時間がかかるといっても工事に掛かるだけではなく乾燥時間にかかるのです。
塗装はほとんど1日で十分ですが(自然の材料などを原料にした塗料は数日かかるモノがあります)、左官工事は数日かかります。工事中はもちろん、工事が終わってから何もできない時間がいるため、その間工事は進みません。乾燥期間が必要な塗る工事は早く工事を終わらせるには不向きな工事なのです。
次回は、『使用期間を考えて作ってるか2⑤~変えて失われたことその1』です。
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