瑕疵保険(かしほけん)はどうなった?①~週刊文春3月23日号の欠陥住宅の記事
私の工務店では在来工法ですから上棟時は柱や梁などの組み立てだけです。使用するレッカーは、10か5トンレッカー、事故のレッカー25トンより小さいレッカーです。小さくていい理由は、上記のように柱や梁などの部材を順番に組んでいくので重い材料がないためです。吊る材料の重さよりもレッカーの届く範囲が問題です。
また、上棟に使う材料は敷地内に入れてしまいます。敷地に余裕がない場合は建てる場所に入れてしまいます。敷地内に入れた材料を移動しながら建てるのです。事故現場のように道路から隣地の上を通って吊り入れるような工事はしません。
私が②の冒頭にそもそも工事方法が間違っていると書いた理由は、道路から重いユニットを大きなレッカーで隣地の上を通って運ぶ方法が間違っているということです。
工場で85%作るからユニットが大きく重くなり、大きなレッカーで吊らないといけない。工場で作るからという利点が欠点になったのです。
このメーカーのホームページを見ると一日で屋根防水まで工事を終えるということですが、ユニットを見ると内装のボードも張ってあるので、屋根防水まで終わらないと雨が降れば濡れてしまいます。一日で屋根防水までできるのではなく、本当は何が何でも一日で防水まで終わらないといけない工事方法なのです。これも利点が欠点になったことと思います。
次回は、『レッカー転倒の事故について④~工事方法は現場に合わすべき』です。
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