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相見積もりのムダ2⑩~相見積もりを勧める人は現場を知らない

鈴木敏広

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テーマ:見積り

Aさんのように工事が違う見積もりでは相見積もりになりません。瓦屋根と金属屋根と二種類の見積もりが出ていて同じ条件でないと相見積もりにはならないのです。

なぜこのようになるのでしょうか。
工事内容を決めているのが、業者だからです。コラム「相見積もりのムダ⑩」(相見積もりのムダ⑩ 参照 )
書いたように依頼する施主側に建築に詳しい人がいて、どんな工事をすればいいのかを決めることができていないのです。

相見積もりの無駄2-⑩

Aさんの生活環境を考えて、工事の方法を修理で行くのか、全面葺き替えにするのかを決め、それが決定してから屋根の材料を瓦か金属に決める、最低でもこれだけのことを考えないと工事内容が決まりません。雨が漏るからとだけ業者に伝えても、バラバラな工事内容の見積もりが出るだけなのです。これでは相見積もりにはなりません。

相見積もりの無駄2-⑩-2

初めに見積もりを出した3業者が、修理の話を出したかどうかわかりませんが、いずれにせよどんな工事を決めるかは先に決めてから相見積もりしないと時間の無駄なのです。

コラム「相見積もりのムダ⑭」(相見積もりのムダ⑭ 参照 )に書いたように業者の選択に時間をかけた方がよいのです。
Aさんの家にずっと来ていて台風が来るからと言って様子を見に来る、施主にとって大事なことは施主のことを考えているかだと思います。そして、確かな工事をしてくれることが一番大事なのです。
相見積もりすれば、誰でも費用を抑えたいため価格が安い見積もりを選ぶと思います。価格が安ければ工事もいいとは限らないのです。

次回は、『夏型結露2①~床にシミ』です。


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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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