結露⑱~WB工法は一つの答え
日本中の家が、昭和の30年代、40年代頃までは壁は土壁でした。高度成長期になり、核家族化が進みたくさんの家が建てられるようになると、時間のかかる土壁は敬遠され、壁の中に50ミリ程度の断熱材をいれるようになりました。
土壁の時は、壁の中がありませんから壁の中で内部結露など起きることはありません。それどころか、室内の空気中の水蒸気を吸収し、空気が乾燥すれば放出します。元々、水で土を練って作ったものですから、空気中の水蒸気が少し入っても強度が落ちるわけでもありません。
また、50㎜の断熱材だったころは、壁の厚さが105㎜でも50.5㎜も空間があるため空気は壁の中で回転でき、水蒸気が壁の中で閉じ込められても、大きな内部結露にはなりませんでした。
ところが、今は壁の中に厚い断熱材を入れるため、空気が回転するほどの空間はなく、断熱性能が上がっているため、温度差が大きくなり結露しやすいといえます。
コラム「家の老化①(家の老化①参照)」に書きましたが、土壁は築30年以上経ってもほとんど変わりありませんし、市の無料耐震診断に行って土壁を見ると、壁が落ちているのは見たことはありません。エアコンなどの取り付けやリフォームなど理由があって壁が落ちていることはあっても、何の力も加わらなく経年劣化でボロボロに落ちていることはないのです。
冬は低温少湿、夏は高温多湿、台風、地震のある日本で、耐用年数が何十年もあるのはすごい性能だと思われます。
ところが、今は壁の中があります。①の図に書いたように壁を作っている材料は木(集成材)繊維系断熱材、プラスターボード、窯業系サイディングなど水に弱い材料ばかりです。水に弱い材料で作る以上、水に犯されないように作らないといけません。
次回は、『高断熱の前に結露対策⑬~数字で表しているのは室内の温熱環境だけ』です。
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