結露②~昔の日本の家
今回のコラムはコラム「夏方結露⑭(夏型結露⑭参照)」と内容と重なります。
壁の材料として、木材、サイディング、断熱材が考えられます。
木材は腐朽菌が発生すれば傷んでいきます。柱や土台が傷めば家の外周の主要構造材の力が落ちていくことになります。外周の耐力壁は家の構造にとって大事な壁です。構造材が傷めば耐力壁の力も落ちてしまいます。95年の阪神大震災で倒壊した家の中にもシロアリなどで構造材が傷んでいる家がありました。柱などが傷むことは、災害時の大きな被害につながるのです。
サイディングはカビが生えていることで常に水分があることになりますから、傷んでいきます。乾燥しなければサイディングは膨張し、ひどくなると引っ掛け金物からはずれる可能性があります。
最近は、釘うちではなく引っ掛け金物で施工する現場が多いですが、引っかけ金物の施工はサイディングを釘やビスで固定するのではなく、引っ掛け金物を構造体に固定し外壁材は金物で引っかけているだけです。釘打ちのころは一枚一枚固定していましたから連続して外れませんが、引っ掛け金物が外れればサイディングは連続してはずれていく可能性があります。一つの金物で上下のサイディングを固定しているためです。
引っかけ金物による施工は、熊本地震で釘固定されていれば倒壊を免れた住宅の件も考えると、一度考慮すべきではと思います(コラム熊本地震で分かったこと⑧参照)。また、10年程経って塗り替えをしてもサイディングが水蒸気を含んでいれば、塗装は長い間もたないと思います。
最後に断熱材です。おそらく繊維系断熱材と思われますが、繊維の中に水蒸気が入っていくため断熱性能が落ちていきます。断熱材は、気体を閉じこめる事で熱を伝えにくくする材料ですが、水蒸気が入ることで熱が伝わり易くなるからです。
次回は、『高断熱の前に結露対策⑪~家の中は…』です。
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