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基礎の高さについて⑥~最近のベタ基礎の二つのギモン

鈴木敏広

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テーマ:住宅の工法

一つは、基礎の立ち上がり(立ち上がりとは下図の矢印の部分です)が低いと、基礎としての強度が低くなるのではと思います。

基礎の高さ⑥

もともと基礎は下の図の斜線部分を梁材として考えていますから、梁材なら高さが大きいほど強度があることになります。最近のべた基礎はベースからの立ち上がりの高さが35㎝程しかありません。昔はベースを埋めていたので45㎝でしたから、10センチほど低いことになります。

べた基礎でベース部分が床下全面鉄筋コンクリートになるため低くても良いといった話を聞きますが、高い方が強いことに変わりないと思います。

基礎の立ち上がりが35㎝ほどしかないともう一つ疑問があります。それはホールダウン金物です。阪神大震災で柱が抜けて倒壊した家が多かったため、柱にかかる力を計算して必要な金物を使うようになりました。

ホールダウン金物とは直径16㎜のボルト(通常の基礎のアンカーボルトの直径は12㎜)を使って基礎に柱を固定する金物です。ホールダウン金物は基礎のコンクリートに埋め込むのですが、埋め込み長さが決まっていて、Zマーク金物(日本住宅・木材技術センターで定められた金物)では埋め込み長さは36㎝となっています。35㎝では足りません。

基礎の高さ⑥-1



もちろん、埋め込長さを確認して適正な金物(金物メーカーが開発したホールダウン金物の中には、埋め込み長さが36㎝より短いものもあります。)を使用していればよいですが、私はそうでない現場を見たことがあります。その現場は立ち上がりが低い基礎にフック付きのホールダウン金物(おそらくZマークの金物の可能性が高い、メーカー独自の金物はフックがない形だから)が使用されていました。

基礎の高さを測ったわけではありませんが、埋め込み長さが足らなければ、地震の時などに十分な強度を発揮できないことになります。


次回は、『基礎の高さについて⑦~バリアフリーは家の中だけ』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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