高さの高い窓と横に長い窓⑤~通気層の役目を果たすか
私が定期購読している建築雑誌「〇―〇ビルダー」の7月号(6月発売)に、横長窓のために通気層が十分に働かず、カビ臭、外壁下地材の傷みなどの被害が出ている記事がありました。雑誌の横長窓に関する事例は二つ、一つは ④のaに書いた配置で上下に窓がある場合、もう一つはbに似た事例で横長窓を4つ並べ5.4m(④のbは4.5m)の長さに配置した例でした。
このコラムは、私が昨年の夏に見た横長窓の家を見て、こんな配置で外壁の通気が十分に働くのか疑問に思い書いたのですが、雑誌に掲載されるということは既に問題になっているようです。
雑誌では深くふれていませんでしたが、外壁の通気がスムーズに動かないと壁の中の湿気も排出されにくくなることになります(⑤参照)。つまり、内部結露しやすくなるのです。雑誌でもカビのにおいのことが書かれていますが、外壁の通気が働かないと、外壁の下地材が傷むだけでなく、壁の中で結露しカビなどが発生して家だけでなく住んでいる人も傷むのです。
最近の住宅は、断熱性能を上げるためか窓が小さくなっています(コラム ;冬向きの家⑧参照)。同じ家なら窓の面積が減ると壁の面積が増えますから、内部結露を起こさないように外壁材裏の通気は今まで以上にスムーズに排出するようにしないといけません。
雑誌の記事の中に日本窯業外装材協会では通気の通り道には、空気が動くように3㎝の隙間を2メートル以内で設けるように書いてありますが、この基準が作られたのは今の断熱基準ではなく、しかも、このコラムで取り上げた横長窓など使われていない頃と思われます。
断熱性能を上げるために窓の大きさ、数を小さくすると壁の面積は増えて内部結露しやすい家になることを考えれば、もっと隙間を開けないといけません。しかし、外装材の下地材としては、隙間が少ない方が強度はあります。こう考えると⑥に書いたようにたて張り、横張にかかわらず外壁下地材と柱との間に隙間を作る方法が最も良いと私は思います。
費用はかかりますが、雑誌の例のように10年に満たないうちに傷むよりもずっとましだと思います。
次回は、『基礎の高さについて①』です。
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