合板の使われ方⑦~経験談その2 最近の床工事
コラム「家の老化①」(コラム ;家の老化① 参照)に私が築三十年以上経った家に伺ったとき、施主さんが
「壁がボロボロ落ちてきて掃除しても切りがない。」
と言われたことを書きました。
ボロボロになっているのは土壁の上塗りと呼ばれる仕上げ材で、強度のある土壁はそのままです。築30年だけではありません。15年ほど前に昭和8年(1932年、現在築86年)の家を直しましたが(まだ住まわれています)、その家でも土壁はしっかりしていました。また、市の無料診断で、今まで何件もの家を調査に行きましたが、人の都合で壊していない限り、土壁が壊れている家は見たことがありません。
⑨に書いたように国は耐力壁としての土壁も実験で強度を確かめています。その強度は厚み12㎜の合板の20%しかありません。時間がかかり、強度も低く、費用も高い土壁は使われなくなりました。
耐力壁の基準には、材料の耐用年数の考えはありません。10年、30年、50年と使用できるのか、何年経ったら○○%性能が落ちるのか、使用方法によっては傷みが早いかなどは考慮されていないのです。
耐震等級は完成したときには計算通りの強度を維持していることは当たり前ですが、その強度が何年間、維持されるかは関係ないのです。
現在のような寿命を考えず強度を期待している合板の使い方は考え直すことが必要だと思います。
次回は、『合板の使われ方⑭~合板の寿命は家の寿命 』です。
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