Mybestpro Members

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

住宅の収納について家⑧~収納の奥行き

鈴木敏広

鈴木敏広

テーマ:住宅の収納

コラム②に書いた押入の奥行きはほとんど約78㎝でした。開口幅は違っても奥行きはほとんど同じでした。なぜ奥行きは一つだったのかは、家の間取りの基本が柱芯~柱芯が91㎝(三尺)だったからです(91㎝から柱の太さ12㎝を引き算すると押入れの奥行きは約78㎝になります)。間取りの基本寸法から決まった寸法だったのです。

収納から考えると服を収納するのなら奥行きは60㎝、小物を収納するのなら奥行き45㎝が最適です。仮にウオークインクローゼットの通路を80㎝、両側に服を掛けるとすると
60㎝+80㎝+60㎝=200㎝となります。
これに柱の太さを足すと柱芯~柱芯で約212㎝となります。柱芯~柱芯91㎝×3=273㎝(一間半)ですから、210㎝引くと63㎝余ります。


収納について⑧-2

基準の91㎝の寸法には合わないのです。当然、合わないことが間取りにも表れてきます。③に書いた広告のニの字のウオークインクローゼットは下図のようで、廊下側に小物入れのクローゼットが付いています。下図のウオークインクローゼットは塗りつぶした部分が壁です。たたみ3帖の面積なのに壁がたくさんあることになり、⑦に書いたように重いクローゼットが、LDKの上にあることになります。


収納について⑧-1

収納を優先した寸法は、⑦に書いたように家の強度(直下率の事など)から考えると合わないのです。②の押入れの奥行きが収納には合わない80㎝なのは理由があるのです。

もちろん、他の家のウオークインクローゼットの寸法がこの広告の家と同じとは限りませんが、直下率も考えて収納建材のカタログなどを見ると奥行き45㎝、60㎝の収納が多いようです。

①に書いた私がウオークインクローゼットを設計しない理由は、収納の寸法が家の寸法に合わないためです。

次回は、『』です。


---------1955年以来の信頼と実績--------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
---------------------------------------------------------

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼