熊本地震で起きたこと、分かったこと⑥~1981年基準と2000年基準の差
等級2は1.25倍ということですが、実は建築基準法と性能表示は計算方法が違います。建築基準法では耐力壁だけで計算しますが、性能表示では窓などの上や下の壁で一定の条件を満たせば「準耐力壁」として加算して良いことになっています。耐力壁を基準法の1.25倍入れたのではないのです。等級3も同じ考え方です。
面材を耐力壁にして建築基準法通りにつくれば等級2に近い耐力になります。なぜなら、施工する上で面材を耐力壁にすると耐力壁の部分だけでなく窓の上下にも張るため(張らないと耐力壁の厚み分、外壁下地に段差が出来る)、準耐力壁ができるからです。
おかしな話と思われるかもしれませんが、耐力壁が筋交いの家と面材の家では、基準法の計算は同じ結果でも、品確法の性能表示の計算では必ず耐力壁に面材を使用した家の方が耐力がある結果が出ます。計算方法が違うため評価が異なると思ってください。
熊本地震で、耐力壁に面材を採用した方が筋交いを採用したよりも被害が少ないのは、準耐力壁が施工上で出来てしまうからだと思います。
また、住宅会社の中には「耐震等級2が標準仕様」と宣伝している会社がありますが、上記のように耐力壁に面材を使用すれば普通はほぼ等級2になります。特別なことをしているわけではありません。
次回は、熊本地震で分かったこと⑦~外壁材が落下していた です。
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