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熊本地震で分かったこと③~筋交いの方向性

鈴木敏広

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テーマ:地震

筋交いと面材ではもう一つ大きな違いがあります。力のかかる方向で強度が違う、方向性があるのです。下の図を見てください。右の絵の筋交いAには圧縮力が、左の筋交いBには引っ張り力が働きます。筋交いは引張り力より圧縮力に抵抗しますが、方向性があるためX型に入れるのが基本です。

法律では、90×45ミリの筋交いを使用した場合、所定の金物を使用すれば壁倍率2で計算します。強度が違うのに圧縮も引張りも同じ壁倍率で計算する法律に疑問と感じたため、専門書で調べると、90×45ミリの筋交いの圧縮力は壁倍率2.5、引張りは1.5。法律はその間をとって2.0にしたということでした。

熊本地震で分かったこと②

したがって、筋交いをXになるようにバランスよく入れていないと、どちらかかが強くなってしまうかもしれません。地震力が掛かったときバランスが悪ければ、それが理由で倒壊につながる可能性もあるのです。

次回は、熊本地震で分かったこと④~角度によって耐力が違うです。

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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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