熊本地震で起きたこと、分かったこと⑥~1981年基準と2000年基準の差
10月に「国土交通省は2000年基準の改正はなし」と発表しました。
2000年基準の家の被害が少なかったことがその理由と思われます。2000年基準で7棟倒壊しましたが、そのうち3棟が2000年基準の接合部仕様を守っていなかったこと、別の1棟は地盤の傾斜によるものと判断されています。しかし、残りの3棟については倒壊した理由は明確な被害要因は発見できなかったらしいです。
地震地域係数についても今のところ見直しがないようです。しかし、もしも地震地域係数が1.0だった場合、もっと被害が少なかったと考えられますが、⑧で書いたように地震地域係数は減らしてもよいので、不安なら1.0にすればいいのだという考えなのでしょうか?
日本でこのような連続地震が起きることは、これからもあると思います。この地震で、1981年基準と2000年基準の差はハッキリしたと思います。現在行われている1956年以前の耐震診断、補強工事の補助を大阪市のように2000年基準までにした方が良いと私は思います。
一つ気になることは施工の事です。今回倒壊した2000年基準の家3棟は、基準通り作られていないという理由です。ということは設計でいくら計算してOKでも、施工がだめならダメということになります。最近は大きなビルと同じように住宅でも、元請けから何社かが関って職人が働いているいわゆる重曹下請が増えています。お金を払う元請けは管理だけして実際に施工しないわけです。
もっと施工に目を向けないといけないと思います。設計図ができてもまだ何もできていませんから。
次回は、熊本地震で分かったこと①~筋交いが切れた です。
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