熊本地震の記事から③~新耐震でも崩れた
建築関係で世間を騒がしていることに免震ゴム偽装があります。簡単に内容を説明すると、東洋ゴム工業の免震ゴムに国で決められた基準に満たない製品が出荷されました。5つの製品のうち3製品は大臣認定を得る際のデータを改ざん、他の2製品は、データは正しいが性能不足の製品を出荷。その製品を使用した建物が全国に55棟あるということです。数日後の記事に国交省が他の免震ゴムを出荷しているメーカーにも確認を指示したそうです。
このニュースを聞いて私が思い出したのは、10年程前の構造計算書偽装事件でした。同じようにデータを改ざんし、書類上は“OK”を出していた事件です。今回と同じような内容だと思わないでしょうか。全てをチェックしたわけではありませんが、耐震計算書偽装事件の事を取り上げたニュースはないようでした。
出荷する免震ゴムの性能を確認するために、本物の建物を乗せて性能チェックすることはできません。
そのため、小型の免震装置で実験し、そのデータから得られた「係数」に出荷する実物の製品に力を掛けて揺れを吸収する性能などを計測します。計測したデータに小型の免震装置で得た免震ゴムの「係数」を用いて計算し、基準の範囲以内かチェックして出荷するそうです。
係数か製品の計測値を改ざんしたのなら、チェックはそれほど難しいことではないと思います。東洋ゴムでは“担当が一人で、専門的でチェックできなかった”とも言っているようですが、他の人に確認させなかったというのが本当でしょう。耐震計算書偽装事件の時もそうですが、ちょっと書類をチェックすれば分ったことをパソコンの結果がOKだったため、データの内容を少しも疑わなかったから事件になりました。免震ゴムの偽装もほとんど同じだと私は思います。
次回は、「免震ゴム偽装の記事から②」です。
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