危ない吹き抜け9~昭和8年の家の補強工事
記事の中に、床を加力試験した写真がありました。地震などの自然災害時に床には、横の力が加わります。ですから、下の絵のように床を組み横から加力して強度を調べるわけです。実験結果より吹き抜けのない床と補強した吹き抜けのある場合の床(コラム「危ない吹き抜け3」参照) の強度が同じと証明できたわけです。
しかし、この実験は床だけで実験しています。床の上には壁が立ちます。壁の力は床に影響します。壁の影響を知るためには、実物大の同じ建物で吹き抜けあり、なしのパターンをつくり、同時に加力試験する必要があります。
記事の実験はあくまで床だけですから、これでは床の強度は分りますが、壁との関係は分りません。吹き抜けがあることで耐力壁がちゃんと(最低吹き抜けのない場合と同じように)働くかは不明なのです。
次回は、「危ない吹き抜け5~床の役割は、壁と違う」です。