「新耐震住宅でも倒壊の恐れ8割」の記事より~なぜ倒れない家を調査しないのか?②
父の友人から「流しを替えたいのだが…。」と電話がありました。父の友人ですから80代後半、奥さんとお二人で生活されています。年齢を考えると本当かなと思いつつ、父と一緒に伺いました。
部屋に入れさせてもらい、見ると古い流し台がありました。流し台の長さを測り、「今はスライド式のシステムキッチンが多いのですが、ショールームに見に来ますか?」と後日、一緒に行く約束をしました。
数日後、ご夫婦と娘さんと共にショールームに、スライド式のシステムキッチンなどを見て悩まれましたが、いまさら新しい形より同じ形の方がいいということで、システムキッチンではなく流し台、調理台、ガス台を並べるキッチンになりました。連休中で納期が数日かかる旨をお伝えすると「先に逝ってしまうかもしれない。」と御主人は冗談を言っていました。小一時間ショールームで説明を聞き、疲れた様子もなくお帰りになりました。
それにしても、お元気でビックリ。ご主人は補聴器もなく会話し、奥さんもサッサッと歩く、毎日お二人だけで生活しているこんなご夫婦ばかりなら、世間で問題とされている高齢化も何の心配もないと思います。よく考えたら、ご夫婦の家は30年以上前に建てられ、段差だらけでバリアフリーではありません。もしかすると、家で生活しているだけでいい運動になっているのかもしれません。お二人を見ていると高齢化=老化とは限らないようです。
最近は若い人の家でも、段差のない床、手摺とバリアフリー仕様にしますが、段差を越えないと生活できない家に住むこのご夫婦を見ると、バリアフリーはどんな家でも必要な事だろうかと考えてしまいました。