うちのつくり方19 ~おわりに~
その③ 将来、リフォームしやすいことを考えて
③-1 リフォームの時代
今では、リフォーム工事は当たり前になりました。ではなぜ、当たり前になったのでしょうか。その最大の理由は、日本中の大工がつくってきた工法(木造軸組工法)がリフォームに適した工法だからです。
日本の大工は柱と梁などの部材を組み合わせて骨組みをつくり、屋根を葺き、壁をつくり、内装をして家をつくります。骨組みに面材を付ける、主要構造材と仕上げ材が別々なため、リフォームに適しているのです。
奈良の法隆寺は、約1300年前に建てられましたが、今でも建っています。その理由はリフォームできたからです。日本の木造軸組工法は、全てをバラバラにしてまた元のように組み上げる解体修理ができるからです。寺だけでなく民家も木造軸組工法で、解体修理が可能です。神戸市北区に箱木家という家があります。約600年前、鎌倉時代末期か室町時代の初期に建てられた住宅ですが、増改築を繰り返し1980年代にダムが作られるまで実際に住んでいた家です。
約1300年前はもちろん600年前にも電気道具はありません。まして、工場で正確に部材を加工することなどできるわけありません。法隆寺や箱木家が建っているもうひとつの理由は、現場で部材の加工をして、組み立てたから、現代でも解体修理できるのです。今リフォームしている木造住宅のほとんども同じように職人が加工して組み立てたのです。一つ一つの部材は不揃いなのに、何百年も持っているのは現場作業が主で、調整しながらつくったからです。
次回は、『③-2将来リフォームできる条件』 です。