マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 71 ~

2023年7月6日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事


 士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します

 2023年 7月号 士衛塾山梨ニュースより

 この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです

■ 2013年のこと ■
 ふと、過去が気になりFacebookで過去の記事を見ていました。すると、2013年11月29日・30日にポーランドで行われた「KWF第27 回全ヨーロッパ極真空手道選手権大会」の記事がありました。
 その大会では、マスター男子無差別(35歳以上)でベスト8となりましたが、試合に臨む気持ちなど、読み返して私自身面白く感じたので共有したいと思います。
 その時に対戦した選手らとは今でも会うと、お互いに冗談を言い合ったり、ハグをするような仲です。コロナ禍でなかなか会えていませんが、またワチャワチャしたいですね。
 下の記事の試合の動画がありました。URLから見れるようにしていますので、一緒にご覧いただくとより臨場感があるかと思います。大変恥ずかしいのですが、笑ってください。
 「~つづく~」Facebookに記事を分割して投稿したためです。そのまま掲載しました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ヨーロッパ選手権で応援していただいた皆様、ありがとうございました。
 応援、確かに届きました。背負って戦いに臨みました。
 世界の壁か自分自身の壁か・・・わかりませんが、メダルには届きませんでした。

 なぜかほぼ毎年この時期に、なんだかわからないアレルギー性のひどい鼻炎とその後気管支ぜんそくへと繋がっていくことが多いです。
 しかも今回は体温が上がらず寒気がずっとしているという、おまけ付き。
 そのため、練習でも気力が上がらず集中できない。追い込みたい時に追い込めない。こんな調子の時は怪我をしやすいので、組手も最低限しかできない。さすがに出発前に追い込みをかける最後の時の組手はやったが、案の定、予想通りの怪我。試合一週間前です。
 今年の三月に折った同じ薬指のヒビとじん帯損傷。
 幸い、前ほどは痛くないので大したことはないと思うことにした。

 そう思うとそうなるのが私の思考のルール。

 ただ、出発前にお腹を打ってもらったら一発で効かされた。胸へのパンチも痛くてダメだった。もう気持ちが引けてるのが良くわかる。

 ところが、一番厄介な敵はアレルギーの方。
 薬もたくさんもらって、毎回こんなに飲むのかと言うくらい頂いてきた。
 そんなこんなで出発。
 機内では、シートのせいか可愛い僕のお尻ちゃんが痛くて眠れない。
 薬も飲めなくてどうにもならない。
 話すと咳き込むからなるべくしゃべりたくないし体力も奪われてく。
 試合前の状態としてはここ近年で一番最低最悪な状態で試合を迎えます。
 
~つづく~

 大会前日、こう考えるようにした。
 
 状態は最悪・絶不調。
 でも、当日は大丈夫。なぜなら・・・本番だから。
 不調でもなんでも、それが今の自分の正直なところで、その中でも最高のパフォーマンスが出来ればいい。
 調子が良くても最高のパフォーマンスが出来ないよりも、調子が悪くても最高のパフォーマンスが出来ればそれでよし。
 こう考えると、当日は調子が良くなるものなんですねー。
 体と脳が喧嘩して脳が勝ったという感じです。

 そうはいっても不安要素は、打ち込みをしていないので、自分の体力がどのくらいあるかわからない。
 海外では日本みたいに親切な大会パンフレットがあるわけではない場合があるので、トーナメント表も当日の張り出し、試合順もわからないから呼び出しをちゃんと聞いていないとわからないし・・・自分が赤なのか白なのかもわからない。
 だからアップするのもどうしよう・・・という感じ

 海外での世界大会に参加した子どもたちの気持ちがわかったような気がしました。

~つづく~

 私の試合はマスター(35)歳以上の無差別で14名がエントリー。
 トーナメントでは2回勝つと入賞できる。
 試合順はトーナメントの上からやっているので遅い方。
 し、しかし、日本のマスターの試合に出てくるようなレベルじゃないぞ。
 あらら、怪獣だらけじゃない。ひえー、おっかねー。
 まさかボクって、「怪獣の檻に入れられた、コブタちゃん」と思いました。
 しかし、これって、これは自分的にナイスな栄養剤でした。おっかないことを好むタイプなので、楽しみに変えることができた。

 さて、一回戦ですが、頭は依然ボーっとしていそうなので、「出たとこ勝負で作戦を考えよう作戦」←アホか。
 怪獣と試合ができることに嬉しくて何も考えてないだけかもしれない。

 向こうのパンチや蹴りは痛くない。
 しかし押してくるから、下げられる。
 私のパンチや蹴りで・・・下がらない。

 足を止めての攻防に付き合ってもいいが、自分スタミナがわからないからやめておく。

 ならば「有効打ポイント積み重ね作戦」
 全然華麗じゃないし、面白すぎるステップ動き、カウンターをとる。

 もう一つ「それは反則だぞ作戦」
 相手選手の押しに注意の旗が上がり始めたから、接近戦の打ち合いには付き合わず体力温存、勝手に相手が押してきてくれるので抵抗せず押される。

 しかし、最後の方、押されついでにアゴ叩かれた。なぜか目まで痛くなった。

 結果は判定勝ち。
 良かった。

 終わってから彼とはいろいろ話したけど、彼を目標にさせていただきたい。

【一回戦の動画】
https://youtu.be/_NEhpvYX_tc

~つづく~

 さて、二回戦。
 一回戦の相手との試合を見る限りでは
 相手のパンチや蹴りが痛くなければ、インローとかで体勢を崩せばいけるな。
 これに勝てば、三位は確定。
 しかし、私の目標は決勝戦の舞台に上がること。

 この試合で負けたのですが、
 最初に言っちゃうと、小学生の生徒の○○や○○の気持ちが良ーくわかった。

 まず、勝つための前提のパンチ痛くない → 痛ーえ。
 じゃあ、私のは・・・ダメみたい。
 とりあえず打ち合ってみると、足を持ってかれている。
 下段が痛いとかじゃなく、刈られちゃってるじゃん。
 自分があまりそういう蹴りをもらってないから、対応ができない。
 何度も何度も倒されて立ち上がって・・・
 いつも私に同じことをされている子が浮かんだ「今のこれって○○や○○人みたいじゃんかぁー」「あいつらいつもこんな思いしてたのか」「やられても倒されても、立ち上がって向かってくる」「すごいなぁーあいつら」「ってことは今のオレすごい??」みたいなことを試合中考えていました。
すみません。
 しかし、後半、倒されるたびに○○先生の「すぐ立ってパンチー」の声にどれだけ支えていただき立ち上がれたことでしょう。
 試合終わって壇上から降りるとき足がガクガクするほどだったのに、その「声」に力があるのでしょうね。
 ありがとうございます。

 結果まで先に書きましたが、
 途中このままではまずいと思ったり、もう最後にこれしかない。ということで、最初は、こりゃ「何とかしないといけない胴回し作戦」で一発逆転狙い。
 しかし、胴回し回転蹴り大失敗。
 普段やらない距離からやったもんだから、高さは出ないし頭から落ちてクビがグギって言うし。
 お粗末すぎて「それではどうにもならない胴回しでんぐり返し」に作戦名変更。

 二回目は相手に絡んで、巨体がまともに乗っかってきたもんだから思わず「ギャッ」と言って両手を開いてつぶされた格好をしたら、相手に肩をたたかれた。

【二回戦の動画】
https://youtu.be/XWZuLwQNgg0

~つづく~

 そんなこんなで、終わってしまいましたが私たちはまだドイツベルリンにいます。
 明日は一日暇です。

 話しは戻りますが、
 今回の入賞者には太刀打ちできなかった・・・だから必ずパワーアップしてリベンジします。

 そして、他の先生方が言ってました「もっともっとたくさんの子たちに経験してもらいたい。連れてきてあげたい」・・・本当にそう思います。
 指導者としては、それが一番の喜びだと思います。

 最後に、自分のクラスの決勝戦や表彰式を見てて泣きたくなった。

 やっぱ悔しいよ

 おしまい

■ ちょっと、いい言葉 ■
 僕が一歩踏み出せるのは、ずっと踏み出せなかったから。
 僕の軸がぶれないのは、ずっとぶれてきたから。
 落ちないと上がらない。
 止まらないと進めない。
 溜めないと飛び出せない。
 無駄な事なんて一切ない。
 これ人生の法則なり。
 押忍 我武者羅應援團 團長 武藤貴宏

■ 朱鷺カップの出来事 ■
 士衛塾の最大の主催大会、多くの選手に参加いただき、誠にありがとうございました。大会が成功するためには、主催者、審判・スタッフなどの関係者、そして選手の協力が必要です。また、開催する会場の確保もとても重要です。そして、その大会の「質」を決めるのは、審判・スタッフの質や振る舞い、選手や来場者らのマナーです。
 空手道という武道は、スポーツ観戦ではなく、会場は道場と同様にとらえ、例え普通の体育館であっても、そこは神聖な場となります。神聖な場として使用する訳なので、当然、礼節や脱帽などが求められます。
 こういうことがみんなの配慮で守られて、良い大会となります。手前味噌にはなりますが士衛塾の大会は様々な大会がある中で非常に良い大会だと思っています。これも皆様のおかげです。ありがとうございます。
 さて、今回の朱鷺カップは参加者ひとりひとりが頑張りました。悔しい思いをした選手、嬉しい思いをした選手。それぞれが「行動した」結果です。この大会で学んだことを稽古に生かしてください。
 
 そんな大会でのエピソード。
 試合当日は、大人の私たちはスタッフとしての任務があるため、選手のセコンドやお世話は、中学生の宮下聖矢、梶原旅人、そして、試合不成立で出場できなかった梶原伊織、怪我のため組手試合欠場の宮下琉汰を中心に行ってくれました。他の選手たちの協力のもとスムーズにできたことと思います。聖矢や旅人は、自分たちの試合がありますが、一生懸命に行ってくれていました。
多くの選手の試合も終わり、お昼ご飯のお弁当が届き、みんなで食べていましたが、試合が終わったはずの渡邉龍之介の姿が観客席にありません。
 龍之介は、自分の試合が終わったら、まだ試合を行っていない選手たちの応援やセコンドに入っていました。「龍之介、お昼ご飯はいいの?」「後で食べる」。
わずか小学5年生の子どもが当たり前にやっていることに私は、ハッとしたとともに、この優しさに感動しました。大人でもなかなかできない。
 普通なら、自分の試合が終わり、お昼ご飯を食べる・・・何も問題ありません。
でも龍之介には、いつも一緒に練習している山梨の仲間や先輩たち、特に先輩たちは自分のセコンドや応援をしている。その人たちの試合がまだあるのに、自分が終わったから「さぁ、お昼ご飯」とはならなかったのです。
 お昼を食べた子たちが悪いわけでは決してありません。ただ、龍之介の優しさと気遣いと義理堅さが素晴らしく、私も学ばないといけないと思いました。
 
 試合ではコートに立ち相手と戦うのは選手一人なのですが、セコンドも選手と同じ気持ちで戦っています。選手の背中を声と気持ちで精一杯に押しています。選手では相手との距離が近すぎてわからないので、セコンド席からの相手への分析はとても重要です。ただ席に座って応援をすればよいというものではありません、選手と一緒になって戦うのがセコンドです。そこには、実はテクニックもあります。それだけ重要かつ大変な役割を担っています。なので、セコンドで頑張ってくれたみんなには本当にありがたいです。
 今後、みんなにも、もしできるならば、セコンドとして入ってくれた人や応援してくれた人の試合は応援してもらいたいなと思います。自分は応援してもらって当たり前、ではなく、応援してもらったら応援し返す、そんな関係というか優しさが欲しいなと思いました。
大会は、色々と学びますね。

■ 読売新聞に掲載していただきました ■
 先般、読売新聞より取材を受け、5月10日の新聞に掲載していただきました。「ガッツ」というコーナーでした。
このコーナーでは、10年ほど前の2012年の12月に里紗と帆南が掲載されたコーナーです。
 書いてくれた記者さんは変わりましたが、時を経て同じ紙面に掲載されたことは大変感慨深いものがあります。
 先般、仕事でマイナ保険証のトラブルの件で記者発表した際、テレビや新聞からたくさんの取材を受けましたが、読売の記者さんとは、担当記者は違いますがこのコーナーのことで盛り上がり、山日の記者さんからは「いつもスポーツ欄に載っている伊藤さんですよね」で盛り上がり、「日中は協会(職場)にいらっしゃるんですか?」と言われ、「いやいや、本業なのでちゃんといます」など、楽しく会話が弾みました。
 誤解されているといけないので、敢えて書きますが、私は、日中は普通に仕事をしているサラリーマンです。そして、夜は空手の指導者へと変身します(笑)






最後までお読みいただき、ありがとうございます。

士衛塾山梨では、一緒に空手を学ぶ仲間を大募集しています。
皆さまと出逢えるのを楽しみにしております。
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