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浦山英樹

住まいの騒音問題に寄り添う環境計量士

浦山英樹(うらやまひでき) / 環境計量士

浦山環境計量士事務所

コラム

本当にあった怖い話(環境計量士の体験談)

2024年6月27日

コラムカテゴリ:住宅・建物

変なタイトルで申し訳ございません。

前回のコラムの中で、雨でマイクロホンを水没させてしまった事をお話したのですが、このような小さな?失敗談はたくさんありまして、そんなお話を出来たらいいなと思いだしていたところ、怖い体験をした事を出してしまいました。

ちょうど夏も近い事ですし、環境計量士が体験した「本当にあった怖い話」をご紹介したいと思います。 いくつかありますので、何回かに分けてお話しできればと思っております。

もしかして事故物件?

その日の測定は、解体前の既存建物を利用した環境騒音調査でした。
弊社の主な業務の一つとして新築建物の遮音設計があります。
遮音設計とは建物に必要な遮音性能を計算する事なのですが、そのためには現況の環境騒音調査が不可欠です。 既存建物がある場合は既存建物を利用した環境騒音調査を行っています。

その建物は都内中心部の賑やかな地域で、路地を一本入った所にありました。
5階建てのビルで、1・2階が店舗になっていて、3階以上が住居になっています。
美しいタイルの外壁や、所々施された装飾から、お金がかかっている事が分かります。
まだ新しい事もあり、解体してしまうのは勿体ないなと感じていました。

季節はちょうど今頃でしょうか。
よく晴れた暑い日だったと思います。

時間は朝の9時。
とても賑やかな時間です。

2階と屋上で作業を行う予定でしたので、お施主様にお借りしたカギを使って中に入ります。

建物内は黒っぽい木材を多用した重厚な造りで、外観に違わず高級な内装でした。
玄関を入るとすぐにリビングに通じる飾りガラスの扉があります。

その扉を開けた途端、異様な光景に足が止まりました。
室内がめちゃくちゃに荒らされているのです。

食器やガラスが散乱し、家具は傷つけられ、倒れている調度品もありました。
まるで誰かが暴れた後のような光景です。

それがなければ、つい先程まで家族が生活していたと思えるほど生活感にあふれた室内でした。
家具や備品がそのまま残っているように感じましたし、大きなテーブルの上には新聞や手紙のようなものもありました。

いったい何があったのでしょう。
解体直前の建物なので、荷物が散乱している事はよくあります。
しかし、その時の光景は、それとも違って見えました。

異様と感じた理由の一つが、床に付いた無数の靴跡です。
解体前の建物は関係者の方々が下見を行うので、複数の靴跡があってもおかしくありません。 しかし、その時は明らかにおかしいと感じる程、たくさんの足跡がありました。 そもそも靴跡は、靴が汚れているか、床が汚れていないと残らないものです。 どうしてこんなに汚れているのか不思議な感じがしました。

よく見ると、床だけではなく、壁も汚れた後がたくさんありました。 赤っぽいペンキをこぼした跡にも見えますが、周りの光景と相まって強い違和感を感じてしまいました。

しかしながら、ここで立ち止まっている訳にもいきません。
約束の時間通り測定を行わなければ、次の作業に影響してしまいます。
まあ、こういう事もあるかもと、気を取り直して先へ進みます。

そこには10畳くらいの和室があり、リビング以上の光景が広がっていました。
障子は破れ、襖は切り裂かれ、至る所に血のような跡。
壁には赤い手の跡や、血を擦り付けたような跡も複数ついています。
畳の上には布団が敷かれたままになってたのですが、その布団もズタズタに切り裂かれ、大量の血のようなシミで汚れていました。

流石にこの光景を見てしまうと、考える事は一つしかありません。
事件か、事故?

一応、担当者に確認の電話を入れてみました。
結果は・・・
担当者も何も聞いていないそうで、そのまま作業を進めてほしいとの事でした。

気を取り直して更に先へ進みます。

そこには立派な洗面所がありました。
作業とは全く関係のない部屋だったので、無視して通り過ぎてしまえばよかったのですが、目に入ってしまったんです。。。動く人の姿が。
まあ、鏡に映った自分だったんですけどね。

何かが動くと目で追ってしまいますよね。
それで見てしまったんです。

ここが一番ひどかった。
鏡には血しぶき、洗面器も血のような跡が残っています。。
壁や床にも血しぶきが・・・

一瞬、ぎょっとしてしまいましたが、先ほどからの光景に慣れてしまったせいでしょうか、流石にちょっと嘘っぽいと感じ始めました。
そこで頭をよぎったのは、撮影用のセットです。

都内には一般の家や倉庫を撮影用として貸し出している所がたくさんあります。
弊社の事務所の近所にもいくつかあるのを知っています。
ここもそういった撮影用の建物の一つだったのかもしれません。
一度そう思うと、そうとしか思えなくなってきました。
いや、きっとそうです。
そうにちがいない!
(そう思わないと、この光景で淡々と作業をする私が異常な気がします)

いつもより手早く作業を終わらせて、急ぎ足で建物をでました。
そこにはいつも通りの賑やかな光景が広がっていました。

この時ほど都心の騒々しさを心地よく感じた事はありません。
騒音の感じ方は心理状態によって変わる事を実感した時でもありました。

そういえば建物の中は異様に静かだったな。。。

あとがき

結局あの状況が何だったのか、担当者からも何も連絡ないままです。 何かあったのだとしても、お客様のご事情ですし、聞くべきでは無いと思います。

ただ、あの光景が目に焼き付いて忘れられません。 本当に撮影用のセットだったとしても、ちょっとしたトラウマになるほどには衝撃的な光景でした。

今回は午前中の作業だったので良かったですが、これが夕方や夜の作業だったらと思うと・・・

そういえば、血だと思っていたシミや汚れの色が思い出せないのです。
その時は血にしか見えなかったので、黒っぽい赤だったような気がするのですが、明るい赤に近い色だったようにも感じます。 流石に乾いているだろうし、血だとしたら黒っぽい筈ですよね。 乾いてなかった、なんてことは無いですよね。。。

写真は撮っていません。
空き家だとはいえ地権者の許可なく撮影できません。
それに、もし撮影できたとしても見る勇気はありませんし、写真フォルダに残すのも嫌です。

写真フォルダといえば、以前、不思議な体験をした事があります。
あれはいったい何だったのでしょう。。。

そのお話は、また機会があれば書いてみたいと思います。

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