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梶野俊夫

映像作品に臨場感やインパクトを与える音響効果の制作者

梶野俊夫(かじのとしお) / 音響効果制作(効果音制作・選曲)

有限会社audio studio響

コラム

30年前のゲームの話

2023年6月12日

テーマ:効果音制作について

コラムカテゴリ:ビジネス

今回はゲーム会社「カプコン」に在籍していた話です。

入社して一番初めに担当した作品はスーパーファミコン(SFC)の
「ファイナルファイト」という作品です。

この作品は、アーケード(※1)からコンシューマ(※2)への移植作品です。
この後、「ファイナルファイト GUY」も制作しました。
10年後にゲームボーイアドバンス(GBA)で「ファイナルファイト One」を
制作しました。
ファイナルファイトシリーズで「タフ」、「2」、ファミコン版は私が
制作した作品ではないです。

この時の作業についての説明をします。
移植なのでアーケードゲームから音を録音して使いました。
今だと録音してマスタリングしてゲームに入れて簡単にできると思います。

以前はROMの容量が小さく効果音、曲も簡単に入りません。
例としてパンチ音について説明します。
パンチ音の尺は1秒もいかないぐらいの尺です。
どうすれば良いか考えて、決めた事は音程を上げてSFCのツールに録音
することにしました。
音程を上げる事ですが、サンプラー(※3)の使い方も分からなかったので
オープンリールテープレコーダー(※4)を使うことにしました。
ゲーム会社に入る前にMAスタジオにバイトとして作業していました。
その時使っていたオープンリールテープレコーダーを思い出して、必要な音を録音して
レコーダーのスピードあげて再生し、ツールに録音しました。
そうすると短くなってツールに録音することができます。
音程を低くして再生すると元の音のように聞こえます。(少し篭って聞こえます。)
音程を上下して再生すると軽いビンタのような軽い音になったり、低くすると
倒れた音に聞こえたりします。
このやり方で色んな音を制作しました。

今だとDAWで効果音の音程を変えたり、そのままWAVファイルで保存すれば
問題なく出来るのですが、SFCは33年前の話です。
色々考えて制作するのが楽しく思えて今もこんな感じで制作しています。

「ファイナルファイト」だけのCDの写真です。





次は、格闘ゲームの話をします。

※1アーケード:ゲームセンターなどにおいている業務用ゲーム
※2コンシューマ:PSやSwitchの家庭用ゲーム
※3サンプラー https://ja.wikipedia.org/wiki/サンプラー
※4オープンリールテープレコーダー https://ja.wikipedia.org/wiki/オープンリール

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