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イギリスの戴冠式(当たり前の敬語と最高敬語)

土方淨

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テーマ:ことば

 英王室の戴冠式が行われました。
 時節柄、かなり規模をコンパクトにして行われ、また他宗教、多人種など開かれた王室を意識したものになったと報道されていました。一方で反対の声や興味が無いという声があったのも事実です。
 日本でも皇室の動向に対して過度な敬語を使わないようにという方針が出されています。
天皇陛下が皇居から外出されるときに行幸(ぎょうこう)と言い、行かれる先がいくつもある時は巡幸という用語を使いますが、今は「~においでになりました」「~をご訪問になりました」という表現を使うことが一般的です。以前は御帰りになることを「還御(かんぎょ)」などと言っていたようですが、今はニュースなどで聞くことはありません。
一方で、英王室の話題は最近「芸能ニュース」に近い扱いをされているように感じます。色々ありましたからそれも仕方のないところですが“開かれた〇〇”を目指すということは、こうした報道と表裏一体とも言えます。
ただ、戴冠式の中継を見ていて首を傾げてしまうところがありました。バッキンガム宮殿で新国王があるコニー(昔はああいう建物にしかバルコニーはなかったそうですね)に“お出まし”になる直前、リポーターが…
「もうすぐ出てくると思います」
と表現したのです。さすがにこれはNGでしょう。
行き過ぎた敬語を控えることと、当たり前の敬語を当たり前に使うこととは別物だと思います。今回のケースだけでなく、国賓としてお見えになった外国の要人に対する表現にも「?」をつけたくなるものが多々あります。
もうすぐサミットが広島で行われます。

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土方淨
専門家

土方淨(フリーアナウンサー)

合同会社淨

長年のアナウンサー経験で培ったスキルと、メンターコーチの資格を生かし、個々の目的に合わせた丁寧なレッスンを展開。実践的な練習を通して、自分なりの間合いをつかみ、聞き手を引き込む話し方の習得を目指す。

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