マナーうんちく話2308《これくらいは知っておきたい「お盆」の知識と本質》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:冠婚葬祭のマナー

嬉しいことが重なると「盆と正月が一度に来た」といわれますが、令和の今でも日本人にとって盆と正月は大事な行事です。

ところで日本には、一年を二期に分けて、その折り目に当たる大切な時期に、ご先祖様の霊をお迎えして、おもてなしして、またお帰りいただいて、五穀豊穣や子孫繁栄を祈願していたといわれています。

だから「お盆」と「お正月」の行事は似たようなものが多いわけです。

そして「お正月」は自宅へ歳神様をお迎えし、おもてなしして、またお見送りする神道の行事ですが、「お盆」は先祖や亡くなった人の霊を自宅へお迎えし、供養して、お見送りする仏教の行事です。

つまり「お盆」は先祖の霊(仏様)をお迎えし、おもてなしするとともに供養することで、先祖への感謝の気持ちを表すのが、お盆の本質と認識していただいたらいいと思います。

今あるのはすべてご先祖のお陰です。
ご先祖が一生懸命紡いでくれた家庭で、家族一人一人が今の幸せをしっかり実感し、感謝することを大切にしたいものですね。
また、そうすることで、さらに家族の絆が深まるということです。

お盆の期間は旧暦の7月の満月、つまり15日を中心に行われますが、今では8月13日から8月16日までが一般的です。


「お盆」がスタートする13日には玄関で「迎え火」を焚きます。
迎え火は、ご先祖が家に、迷うことなく帰ってくるために灯す火です。

一方「送り火」は、盆の最後の日に、ご先祖を無事送り出すための火です。

さらに、お盆の期間は盆棚(精霊棚)を設け、果物や野菜、さらにキュウリで作った馬や、ナスビで作った牛を飾ったりして供養します。

ご先祖様に早くお会いしたいので、馬に乗って急いで帰っていただき、お帰りの際は、名残り惜しいのでナスビの牛に乗って、お土産を一杯つんで、ゆっくりお帰り頂くわけです。

「精霊流し」は、花やお供え物を、川や海に流しますが、これは、ご先祖の霊が川から海に、そしてあの世に帰っていくと考えられているからです。

迎え火、送り火、精霊棚、馬や牛などは、これが正解という決まりというか、全国共通のルールはありません。
地域性が強いのでその地域のやり方に合わせばいいでしょう。

補足になりますが、「お盆」は正しくは「盂蘭盆会」といい、インドのサンスクリットの「ウラバンナ(逆さ吊り)」に由来しています。

お釈迦様の教えによって、その弟子のお母さんが飢餓道から救われたという言い伝えが日本に伝わり、これが日本の先祖信仰と結びついて、この日に供養すれば、先祖の霊が救われ、家族が幸せになると考えられたのでしょう。

こうして、日本ならではのお盆の習慣が生まれたようですが、現在のようなお盆の習慣は江戸時代に入ってからだといわれています。


ちなみに「盆「の漢字は、「分ける」という字と「皿」からなります。

家族内の喜びも悲しみも分け合って、心を一つにするということで、繰り返しになりますが、盆の本質は、ご先祖様をお迎え、おもてなしして、供養して、感謝して、家族一同の絆を再構築することにあります。

また最近はこの暑さです。
花や食べ物のお供え物は、見た目も大切ですが、先ずは清潔に保つことを優先したいものですね。

さらに迎え火や送り火、ローソクといった火の扱いにも注意して、安全をあくまで優先していただければと思います。

お盆は仏さまとご一緒するときですが、懐かしい友人と会える時でもあります。
加えて自分自身の命の源を振り返る絶好の時で、普段の暮らしとは違ったひと時を有意義にお過ごしください。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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