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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話2159《和食の作法。やらないほうがいい「手皿(手盆)」の奥深い理由》

2022年11月21日

テーマ:和食テーブルマナー

コラムカテゴリ:くらし

2013年12月に「和食:日本の伝統的食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されて10年近くになりますが、正月の「お節料理」、節分の「恵方巻」、土用丑の日の「鰻丼」など商業ペースに乗っている料理は別として、最近日本の伝統的食文化が影を潜めてきた気がしてなりません。

物が豊富になり、便利になったからでしょうか?
それとも国際化の影響でしょうか?

もともと和食は豊かな食材、季節性、栄養バランス、年中行事との深い関りなど、多くの魅力が存在しています。

ただ諸外国の食事の作法に比較して、和食の作法はとても堅苦しくて、難しいと思われていることも確かでしょう。

「感謝」や「思いやり」の気持ちを素直に表現したものと捉えれば、それほどでもないのですが・・・。

加えて和食は、とても豊かな精神文化が存在します。

ちなみに世界3大食法の内「箸食」は中国、朝鮮半島、台湾、ベトナムなど3分の1近く存在しますが、箸のみで食すのは日本だけで、豊かな精神文化とともに厳しい作法が敷かれています。

また日本はもともと畳の文化を形成していましたから、卓で食事をする習慣はなく、畳で、正座して、低い膳で食べていたので、持てる器は、手で持って食べるのが大きな特徴です。

また稲作を中心とした農耕文化で栄え、四季が豊かで、四方を海で囲まれた国でもあります。

さらに仏教や神道を信じる国民が圧倒的に多い国ですから、仏教や神道の影響を非常に強く受けています。

従って和食文化を理解しようとすれば、これらの知識も多少なり必要になってくるわけですね。

戦前の高等尋常小学校や国民学校、それに高等女学校では、学校教育の一環として授業で詳しく教えていたのですが、戦後になって、礼儀作法や宗教教育も公立の学校では行われなくなったので無理はないと思います。

今回は改めて、私たちの食生活と密接にかかわっている和食の無作法に触れてみます。

①手皿(手盆)
右手で箸を持ち、左手を小皿のように下に添えることを「手皿」とか「手盆」と言いますが、よく見られる光景です。

テレビのグルメ番組などでもよく見かけますが、和食の世界では無作法とされています。

刺身など頂く際、醤油が垂れたら服が汚れるので、一見理にかなっているようですが、この場合は醤油の小皿を持った方がいいでしょう。

改まった席では「懐紙」を使用しますが、最近懐紙を用意する人はほとんどいないと思います。
百円ショップなどで気軽に購入できればいいのですが・・・。
私はお茶屋さんで購入します。

では手皿がなぜ無作法になるのか?

食べ物は自分の命を長らえるために、神様から賜った大変神聖なものです。
だから「食べ物」は「賜りもの」なのですが、それをいただく際には、手を清めなければなりません。

和食で「おしぼり」が出される本来の理由はここにあります。
つまり和食でおしぼりが出されるのは、手を清めるためです。

従って手皿をする行為は、せっかく清めた手を、わざわざ汚しに行く行為になるわけですね。

神道では水で清めるという概念があります。

お宮参りをするときに「手水舎」で手を洗いますが、これは体や心を清めるためです。

日本人の清潔好きもこのような遺伝子があるからではないでしょうか。

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