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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1938《桜餅を黒文字を添えて、蓋つきの湯呑み茶碗と共に出された。どう振舞う?

2020年4月4日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:くらし

和食、和菓子、着物等など・・・。
とにかく日本人は季節感を大切にします。

和食はユネスコの無形文化遺産に登録されていますが、その理由の一つに「四季の移ろいの表現」があります。また和菓子にも季節の色や模様や香りなど、季節感がふんだんに取り入れられております。

ちなみに花見の頃には「桜餅」が好まれますが、花見シーズンになると大勢の人が押し寄せるのを見たお寺の門番が、桜の葉で餡子の入った餅を包むことを思いつき、塩漬けにした桜の葉で包んで販売し、大当たりしたといわれています。

七五三の時期になると、子連れの参拝者が多くなるのを見て、お宮の近くに住む菓子屋の主が、縁起の良い「千歳飴」を考案し大当たりしたのとよく似ていますね。

さて300年以上の伝統ある桜餅の食べ方のマナーですが、先ず「なぜ桜の葉で餅を包んでいるか?」を考えて下さい。

汚れや乾燥から守る意味もありますが、なんといっても桜の豊かな香りを楽しむためです。従って葉っぱのまま頂いたらいいと思うのですが、黒文字と一緒に出されたら、ナイフを持つように持って葉の上から餅を縦に切ってください。

そして半分になった餅を今度は横に切ります。
最後に4分の1になった餅を黒文字で刺していただきます。

葉っぱごと食べるか否かは好き好きですが、餅は黒文字で切れない場合も多々ありますので、堅苦しい席でなければ、そのまま手でいただいてもいいと思います。

むしろ餅のように食べにくい菓子を出す場合は、食す人より、提供する側の気配りが大切です。手で持って食べ易い様にぜひ「おしぼり」を付けて下さいね。
また和菓子をいただく際には「懐紙」持参をお勧めします。

ところで季節に彩を与えてくれる和菓子は、日本を代表する素晴らしい食文化だと思いますが、ひとえに四季が豊かな国ならではの贅沢でしょう。

だからいただく側も感謝の心で、季節を味わいながら美味しく頂いて下さいね。

黒文字の木は全国どこでも見られ、ちょうど今頃若葉が芽吹いていますが、香りがいいので昔から楊枝として使用されます。形・大きさは色々です。木の皮に黒い点が多くみられ、昔の人はその点を文字に見立て「黒文字」と名付けたのでしょう。

飲食の基本は出されたものに感謝し、それをおいしくいただく心構えであり、それが「心」であり「形」であるわけです。

特に和菓子は、その季節を象徴する花や果物の姿や色が美しく名反映され、見た目にもとても華やかです。

従って和食と同様、すぐに口を付けるのではなく、先ずは見た目で愛でるゆとりが欲しいものですね。例えば今時でしたら若草色、桜色、萌黄色などでしょうか。

熟練を積んだ和菓子職人ならではの技を堪能するのもお勧めです。

和菓子にはお茶が付きますが「蓋月のお茶」が出されたら、先ずは丁寧なもてなしを受けていると心してください。

頂き方は、片手を湯飲みに添えて、もう片手で蓋を取るわけですが、この際静かにしずくを切って下さい。そして裏返しのまま茶碗の右側にそっと置きます。

片手で湯飲み茶わんを持ち、もう一方で軽く底に添えますが、とにかくこの時の姿勢が大切です。指は揃えると所作が美しくなります。

ここまでだと簡単そうですが、菓子をいただく時間で、どんな会話ができるか?
さらに和菓子を和室で供された場合にどう立ち居振舞うか?が大切です。

多種多彩な感性が要求される世界ですが、日頃から自然に親しみ、季節の言葉や、花や、野菜の名前くらいは憶えて下さいね。

ビジネスマナーでにわかに「敬語」を習うのもいいかもしれませんが、本当の敬語というものは、このような感性から磨かれるものだと思います。

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