マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
いろいろな分野で年々影を潜めていく「しきたり」ですが、しきたりの役割(効能)は非常に大きいものがあります。
何百年も、何千年も続いてきた伝統行事には、それなりの理由が存在するということです。
〇生活にメリハリをつけ、心豊かに楽しむことができる
昔の生活は現代とは比較にならないほど単調です。
そんな状況の中で、様々な催事やしきたりを行うことで、生活に潤いを与えていたのではないでしょうか。
例えば、初物を大事にしたり、衣替えを行ったり、無病息災や五穀豊穣を祈願したり、豊作に感謝したりすることは、何千年も続いてきたことであり、現代社会を生きる私たちにも潤いを与えてくれています。
〇社会秩序を保つ機能があります
「無縁社会」という言葉がすっかり定着してきた感がありますが、日本はもともと「個」より「集団」を大切にしてきた国民であり、その集団生活の中において、調和を保つ役割があります。
特にその地域に伝わるしきたりは、無意識ですが、地域における人間関係作りに大きく貢献しているものが多々あります。
〇心のよりどころになります
例えば6月の終わりと年末に、半年間身体に蓄積した邪気を払う「大祓い」の儀式を行うことで、不安を払しょくし、精神を安定させる効果が期待できます。
また七五三のお宮参り、正月の初もうで、端午の節句の菖蒲湯、節分の豆まき、年末の大掃除などなど、挙げればきりがありませんが、いずれも非日常の行動で、特別な時間を持つことで、安らぎを覚えるわけです。
〇文化の継承
核家族化、過疎化、少子高齢化、人口減少等に伴い、近隣との交流も疎遠になり、この傾向が年々進んでいる今だからこそ、生活の中に根付いている古くからの美しい「しきたり」を再認識し、暮らしの知識を深め、周囲と良好な人間関係を築き、次世代に伝えていくことが必要になってきます。
特に日本の「しきたり」は稲作文化や仏教・神道と密接な関係があり、日本の文化を次世代に伝える媒体になるものです。
戦後学校の教育内容が大きく変わったせいも大きいと思いますが、大人が、次世代を担う子に対し、教えるべきことを教えてこなかった、伝えるべきことを伝えてこなかったことは反省しなければならないと思っています。
いかがでしょうか・・・。
先ずは大人が関心を持つことが大事だと考えます。
〇その他
「個性」「多様性」「自分らしさ」などというキーワードが氾濫する時代になりましたが、みんなが同じことをすることで安心感が生まれることも多々あります。
入学式や卒業式、葬式時の服装などもしかりです。
さらにそれらの行事の振る舞い方もわかり、不安が払しょくされ、心にゆとりが生じます。
また、いちいちその都度、決めごとやルールを定めなくても、事がスムーズに運びます。


