マナーうんちく話544≪薔薇で攻めるか、それとも恋文か?≫
不快指数が鰻登りになる中、8月がやってきました。
今では熱帯夜に必要不可欠なクーラーが、実は温暖化をますます上昇させ、夏をさらに過酷にしているわけで、何とも皮肉なものですね。
しかしクーラーばかりに頼っているわけにはまいりません。
8月といえば、実りを運んでくれる「秋の風」を迎える準備に取り掛かる時節です。
8月7日は二十四節気の一つ「立秋」で、いくら蒸し暑い日が続いても暦の上では秋ですから、「暑中見舞い」から「残暑見舞い」になります。
ちなみに和風月名では8月は「葉月」と呼ばれますが、現在の9月から10月中旬で、木の葉の紅葉が進み、葉っぱが落ちる「葉落ち月」が語源です。
また多くの蝉が一斉に鳴きたてる様子を、時雨の音に見立てて「蝉時雨」といい、夏の風物詩の一つですが、今年は私が住んでいる地域でも、蝉しぐれに以前のような勢いはありません。
夏を代表する昆虫でも、この厳しい暑さには参ったのかもしれませんね。
夏野菜が枯れる現象が起きていますが、無理もありません。
ただ秋の気配がほのかに見える頃で、何とも言えない感傷を覚える頃でもありますが、夏を惜しむ人もいれば、秋の訪れを楽しみにしている人もいるでしょう。
猛暑・酷暑・炎暑の疲れを出さないよう、元気でお過ごしください。
ところで8月6日は広島に、そして8月9日は長崎に世界で初めて原爆が投下された日であり、8月15日は終戦の日、終戦記念日です。
改めて「戦争」と「平和」について考えたいものです。
私が主催している「生涯現役百歳大楽院」でも、戦争を教科書だけの話ではなく、実際に戦争体験者から、戦時中や戦後間もないころの悲惨な様子を昨年8月講座「戦争体験を語る会・聞く会」の中で、語っていただき、多くの参加者に熱心に聞いていただきました。
米寿及び卒寿を過ぎた6名の方々より、生の声を直接聞かせていただきましたが、想像を絶するもので、多くの感想が寄せられました。
主催者として、充分心に刻み込んだつもりですが、問題はこれらの生々しい声をいかに次世代に語り伝えていくかで、今年もいろいろな角度から平和について触れてみたいと思っています。
私たちは、1945年に終結した第二次世界大戦後を「戦後」とよんでいますが、おそらく日本特有の言葉ではないでしょうか。
日本では戦後80年といわれていますが、80年間も戦争に無縁な国は、国連加入国193か国中一桁くらいしかないのが現状です。
では戦争は絶対避けられないのかといえば、サンマリオという小さな世界最古の共和国は、建国以来1700年間戦争に無縁の国です。
ごりっぱですね。
日本はお陰様で80年間平和な状態が続いていますが、一般的には「平和」とは、戦争や暴力がない状態です。
ただ、たんに戦がないということだけではなく、公正な制度が存在し、人権が尊重され、貧困や差別が少ない社会であってほしいものです。
そのためには平和に慣れてしまい、平和を愛する心や、戦争に対する危機感を忘れないようにしたいと考えます。
つまり、他者に対する思いやりや優しさを大事にして、小さな日常の中で常に平和を維持できることを考え、行動に移すことが大切ではないでしょうか。
ここでの「思いやり」とは戦争につながる一切の行為を否定し、支え合い、助け合う心ととらえていただければいいと思います。
コラムのタイトルを「平和への祈り」としていますが、令和の今を豊かに生きる私たちは、戦争によって命を失ったすべての人々を悼み、二度と戦争を繰り返さない決意をすることが大事だと思います。
さらに、先人が長い時間かけてつないでくれた日本という国で、一人一人が世界屈指の長寿や物の豊かさや平和を味わい、感謝することではないでしょうか。
それとともに自然と仲良く共生し、和の心を大事にしてきた素晴らしい精神性を次の時代にも残す努力も忘れてはいけないと思うわけです。
みんな《マナー美人》になるということです。
今後は義務教育の中でも「情報」の教科が大きなウエイトを占め、AI等の授業が多くなるそうですが、その前に「思いやりの心」を育む教育にも目を向けていただきたいものですね。
終戦の日があり、お盆がある8月は、なにかと考えることが多い月ですね。


