マイベストプロ岡山
平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話606≪松茸と土瓶蒸しの食べ方≫

2013年10月12日

テーマ:和食テーブルマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

「味覚の秋」と言われるだけあって、美味しい食べ物が勢揃いする季節です。
木の子もその一つですね。きのこの語源は、「木の子」は「木の子ども」であり、森や林でよくみられたので、昔の人から、そのように名付けられたわけです。

「味シメジに香り松茸」と言われるように、それぞれ個性的な特徴があり、日本料理でも重宝されていますが、それにしても松茸のように、一盛り一万円以上の値が付いては、気軽にと言うわけにはいきませんね。

日本では木の子の食文化や、香りを楽しむ文化は古くからあり、松茸も弥生時代から食された痕跡があります。また万葉集にも詠まれています。

さらに、平安貴族は紅葉狩りと共に松茸狩りも行っていたようですが、江戸時代には庶民の季節のイベントとして定着しました。

そんな松茸が、なぜ一万円もするようになったか?と言えば、ひとえに需要と供給の関係でしょうか。

昭和30年代から40年代はそれほど貴重品ではありませんでしたが、やがて赤松が生える山に縄が張られるようになり、松茸がはえる山は「お宝の山」になったわけです。

ちなみに、日本の食料自給率は約39%ですが、松茸の自給率はどのくらいかご存知でしょうか?現在では恐らく数%で、大半は輸入に頼っているのが実情です。中国、韓国、カナダ、アメリカ等などが主な輸入先ですが、生粋の国産とはいかなくても、味覚の秋に一度は口にしたいものですね。

ところで、会席料理には色々と、家庭ではあまり食べられないものが出てきますが、その代表格が「松茸の土瓶蒸し」ではないでしょうか?
高級料亭なんかで供されたら緊張するかもしれませんね。

土瓶蒸しとは、小さい土瓶を容器にしたもので、松茸を始め、ハモのような白身魚、エビ、ギンナン、三つ葉など、香りの良い素材と、白身の魚のだし汁を入れて蒸した料理です。

あえて土瓶を使用するわけですから、松茸の芳醇な香りと深い味わいを熱々で楽しむ吸い物で、季節感や豪華さが感じられる料理です。

そして、松茸の土瓶蒸しは、「このようにして食べなければいけない」という厳格な作法は有りませんが、前述したように、料理の特徴にそぐった食べ方をしたらいいでしょう。

○杯(お猪口)の上に乗っているスダチをとり、土瓶の受け皿に置いて下さい。

○杯を両手で取り、一旦テーブルの上に置きます。杯は両手で取って下さいね。

○土瓶の蓋をとり、右側に置きます。

○スダチの汁を、少し絞って土瓶の中に入れます。
この際、スダチの汁をしぼり過ぎないようにして下さい。

○杯に汁を注ぎ、先に香りを嗅いで、続いて汁を頂いて下さい。
この際、右手で土瓶を持ち上げて、左手で底を押さえて、静かに汁を注ぐのがポイントです。姿勢にも注意して下さいね。

○汁を頂いたら、具を適宜取りだして頂いて下さい。
具は杯にとって、食べる時には杯を手に持って食べて下さい。

○食べ終わったら、蓋と杯を元通りにして下さい。
スダチの搾りかすは、受け皿においておけばいいでしょう。

松茸の土瓶蒸しの食べ方のポイントは、最初に汁を味わうことですが、汁と具の楽しみ方は他にもあります。

スダチの汁を土瓶の中に入れるのではなく、土瓶の蓋はそのままで、杯の中に巣立ちの汁を少し注ぎ、土瓶の汁を注いで、汁を先に味わってから、土瓶の蓋を開けて、具を食べる方法も有ります。さらに、杯の中にスダチの汁を注ぐ前に汁を入れて、匂いを嗅いで楽しむ方法も有ります。

土瓶蒸しは香りを楽しむ風流な食べ物ですが、熱いので火傷に注意して、楽しく美味しく食して下さい。

この記事を書いたプロ

平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

平松幹夫(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

Share

関連するコラム

平松幹夫プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
090-4573-1062

 

お問い合わせはお気軽にどうぞ

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

担当平松幹夫(ひらまつみきお)

地図・アクセス

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岡山
  3. 岡山のスクール・習い事
  4. 岡山のカルチャースクール
  5. 平松幹夫
  6. コラム一覧
  7. マナーうんちく話606≪松茸と土瓶蒸しの食べ方≫

© My Best Pro