マナーうんちく話422≪客人のコート・荷物等への配慮≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:訪問ともてなしのマナー

以前、玄関先での自分が身につけているブーツ、コート、マフラー等の扱い方のマナーに触れましたが、今回は、家庭や職場でお客様をお迎えする時に、客人が身に付けているコートやマフラーの、お世話の仕方に触れてみます。

さらに、荷物や傘等を持たれている場合は、それらのお世話も大切です。
客人が、大きな荷物、重い荷物等を持ったままでは、何かと窮屈で落ち着きません。

出来る範囲内で、荷物の置き場を案内したり、預かるようになります。
その際、紛失と破損に対する細心の注意が必要です。

基本的には、「貴重品は直接お持ち頂く」、「客人の荷物には、なるべく触れないようにする」、さらに、「責任の範囲を明確にする」等が大切です。

家庭内では比較的安心ですが、職場で客人の荷物等を預かる時には、貴重品が有るか?否か?をしっかり確認して下さい。
また、壊れ物にも注意が必要です。

そして、冬時でしたら、コートを預かるケースが多々ありますが、この時には、貴重品がポケットに有るか?否か?を、必ず客人に確認してもらうことが大切です。

預かったら、シワにならないように玄関のコート掛けか、部屋に近い所のハンガーに掛け、丁寧に保管して下さい。

複数の客人から預かる場合には、間違いのないように番号札等をつける必要が有ります。

傘については、なるべく客人に傘立てに立てて頂くのがお勧めですが、直接預かる場合もあり得ます。臨機応変に対応して下さい。

コートや荷物等を預かって、一番困るのは、手間暇ではなく、それが紛失した時、破損した時、他の客人と間違えた時等です。

「恐れ入りますが、貴重品の有無をお確かめ下さい」とか、「壊れ物はございませんか?」とか、「今日は大変混雑していますので、くれぐれもお間違えの無いようにお願いいたします」等の言葉は、客人に対し、笑顔で、眼を見て、キチンと発することが必要です。

この時の言葉足らずには、くれぐれも用心して下さい。

以前にもお話ししましたが、日本のように、下駄箱の無い欧米では、「コートをお預かりしましょうか?」と言ったら、部屋の中にお進みくださいと言う意味になりますが、日本では、出来る限り玄関で声を掛けて下さい。

しかし、オフィスや飲食店などでは、クローク設備が完備して、それなりのサービス体制が整っていればコートを預かる必要が有りますが、設備や人手の問題で、預からない方が良い場合も有ります。

職場として、どのように対応するか?等、取り決めをされる事をお勧めします。

ちなみに、客人に、履き物を脱いで入室を勧めた時、客人の履物はその場では直しません。
客人が帰られる頃を見計らって、玄関の正面か上座に、3センチくらい離して揃えられたらいいでしょう。

そして帰られる時には、両手で靴ベラ等をすすめて、履き物を履いたのを見届け、「外は寒いですから、こちらでコートをどうぞ」と言って、コートも玄関で着てもらって下さい。

この声かけはとても大切です。





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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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