コラム
偶像にしがみつくな
2012年9月5日
本日は、午前中相続申請のご相談を、午後は永住許可申請と国籍帰化許可申請のご相談をお受けいたします。また夕方はシャロームの会の学生ボランティアの会に出席いたします。
今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。
コヘレト(伝道者)は言う、
空の空、空の空、いっさいは空である。 [コヘレトの言葉・1章2]
コヘレトの言葉(伝道の書)の冒頭の一節、どなたもご存じの句です。この少し後に、「日は昇り、日は沈み」という有名な文句が続いて出てきます。
さて「空の空」という句は、聖書の調子としては異様な感じがするかもしれません。「いっさいは空」というのは、あまりにも厭世的な響きを覚えるからです。
そこで原文を調べてみましょう。
ヘブライ語で「空」に当たる語は、「ハベル」となっています。「かすかな息」というのがもともとの意味です。そから、はかないものというニュアンスが加わってきたと思われます。そうなると、この句の真意はどこにあるのでしょうか。
神意外のすべてのものは、空であるというのです。もっとわかりやすくいいかえれば、神のほかに絶対はありえない、あらゆることは相対的なものだというのです。
人はえてして、自分の身近にあるものを絶対化しがちです。絶対化した結果、自分のなかに妙な偶像をこしらえて、それにしがみついてしまうのです。それは空なのだ、伝道者はそう警告しているのです。
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