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海江田博士

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海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

何としてもその場で解決を・・―唯一無二の経験?!?クソの山のてっぺんから地平線を望む―Ⅲ

2023年6月27日

テーマ:人生を考える

コラムカテゴリ:くらし

濃い50日間だったなあ・・

ちょっとした事情があって、北海道の酪農農場に流れ着いた私。そこで従事した仕事は想定していた以上にハードなものでした。今思い出してみても、北海道で働いた1ヶ月半というのは、結構濃い時間だった気がします。
近年特に、月日の過ぎ去るスピードを速く感じ、ひと月半などというのは、あっという間に過ぎ去ってしまいます。それに比べて、あの約50日間にはいろいろなことが詰まっていました。
もう50年近くも昔のことにもかかわらず、こうやって思い出しながら書いていると、毎日いろんなことがあったなあ、と記憶がよみがえってきます。あのときはそんなに意識もしていなかったのですが、こうやって振り返ってみると、あれを経験していたのと経験していなかったのとでは、その後の私の人生観も随分違っていたかも知れないな、と改めて思います。

想定外の破損度に

あの時の体験で、特に強烈に印象付けられたのは、簡単には諦めない「農民の粘り腰」ということでした。牧畜業といっても、牛舎の中だけではなく屋外の仕事もあれこれ沢山あります。
一度、牧場主と牧場を囲む有刺鉄線の柵を直しに行ったことがありました。ずっと柵をたどっていくと、あちこち細かい破損個所があります。それを一つずつ直しながら進んでいくのです。牧場の端っこには森があって、有刺鉄線の柵はその森の中へと続いていました。
すると、森の中でも壊れている箇所が見つかったので、さっそく修理に取り掛かります。ところが、ここは損壊の程度が意外に大きく、太い木の支柱が折れていました。必要と思われる道具はあらかた持っていたのですが、これは想定外のことで、そんな太い支柱など持ってきていませんでした。

ぼっこさとってこいっ!

私はすぐに『これは出直しだな。いったん帰って(支柱になる木を)持ってこなければ始まらないな。』と頭の中で考えました。ただそうすると、往復に結構な時間を要するため、夕方の搾乳の時間に間に合わなくなります。
『この日の修理作業は、ここでいったん打ち切りだな。』と思ったそのときでした。牧場主が私に声をかけました。「おい、あそこのぼっこさとってこい。」
一瞬、何を言われているのかわかりません。戸惑って固まっていると、「ぼっこだよ、ぼっこさとってこいっ!」と再び怒鳴られます。わけが分からなくてますます混乱したのですが、彼の指さす方を見ると、一本の倒木が目に入りました。

創意工夫の現地調達

そこでようやく「ぼっこ」というのは、どうやら「丸太」のことを指すらしいというのが理解できたのです。そこで、その結構太い倒木をうんしょと抱えて彼のところへ持って行きました。
「まったく、なんですぐわからねえんだ。」と舌打ちされたのですが、私も『「ぼっこ」なんて言葉初めて聞いたよ。わかるわけないだろっ!』と心の中で怒鳴り返します。
まあとにかくそうやって手もとにきた丸太を、彼は目測で計って、のこぎりで切り始めました。私もそれを見ていて、『ああ、これを支柱として使うんだ。』と気づいたのです。
それを見ていて私は『なるほど、こうやって手持ちの材料がないときは現地調達で何とかするのか。』と、さっきまでのやり取りはすっかり忘れて感心しました。私は『こりゃあ出直しだな。』と思ったのですが、彼は「そんなことやり直している暇はない!」と、その場での解決法を探って見つけ出して対応したのです。


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