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海江田博士

有効な経営革新支援でより強い経営を目指すプロ

海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

一石二鳥も三鳥も・・情報発信の持つ絶大なる効果―専門性を伝えることで知的イメージの形成を―

2022年9月13日

テーマ:中小企業経営を考える

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 広報戦略マーケティング戦略マーケティング手法

若手経営者の意外な感想

私はラジオに番組を持ったり、新聞にコラムを書いたりしていますが、そうすると、想定していた以上にいろいろな印象を他人に与えているらしい、ということに気付かされました。ときには、自分が思ってもいなかったような感想を言われることがあります。
先日、ある若手経営者と話をしていたら次のようなことを言われました。
「こんなこと(ラジオ出演や新聞への出稿)ができると賢そうに見えますよね。あ、失礼しました。先生のことは賢いと思っているのですが、こんなことができれば、自分もそんな印象を他人(ひと)に与えられるかなあ、と思って・・・」というようなことを言われたのです。
これは、私にとって初めての、しかも、かなり意外な感想でした。


当たり前だと思っていた

私は、自分の専門分野である中小企業の経営支援について、ずっと色々な形で「情報発信(アウトプット)」してきました。それにはSNSを利用したり、上記のようにマスメディアを通じて発信したりというように、取り組んできた手段は様々でした。
これは、私にとってそれほど特別なことではなく、日常業務の延長くらいに捉えていました。そんな中で、今回言われたように、マスメディアへの登場が知的イメージを与えるというのは少し意外な感じがしたのです。
というのは、上記のように自分の専門分野のことですので、それについてしゃべったり書いたりできるのは当たり前だろう、と思っていたからです。ただ、その専門的な知識があったとしても、それについて人前でしゃべったり書いたりすることが、人によっては苦手な場合もあります。
まあ、話す方はともかく、書くことは苦手という人は多いものです。したがって、そこの苦手とか得意とかの差において、できる、できないの違いがあるだけなのだろうと思っていたのです。


知的好印象は大きなアドバンテージ

しかし、前述の経営者の言葉によって、そのこと(マスメディアへの登場)が、少なからず「知的印象」も与えているのだ、と気付かされました。もしそれが本当だとすれば「情報発信(アウトプット)」というのは、また違った意味を持ってきます。
それは、経営トップが知的であるというのは、プラスになりこそすれマイナス働くことはまずないからです。特に、地縁血縁的ビジネス関係を離れて、広く自らの事業や経営者自身を売り込まなくてはならない場面においては、知的な印象はかなり大きなアドバンテージとなります。


「学歴」は関係ない

日本の場合、その人が知的かそうでないかというバロメーターには「学歴」というものが大きく影響します。東大をはじめとする一流大学の出身者であれば「この人は賢いのだろう、きっと。」とは誰もが思うところです。
しかし、この基準は昔に比べればかなり崩れてきているのではないでしょうか。例えば芸能界などを見てみれば一目瞭然です。「おバカタレント」などと揶揄されながら人気の出たタレントが、結構しぶとく業界に生き残って、やがて一定のポジションを確保し、昔「おバカ」だったことなど忘れられてしまっている、といった現象はよく見られる光景です。
逆に東大や京大など難関大学を出たタレントやアナウンサーなどが、クイズ番組では、そういったカテゴリーに仕分けされて重宝されています。そして、「さすが東大!」とか「東大なのにわからないの?」とか、「学歴」は一種の記号のような扱いを受けたりしているのです。


「オタク」の時代?!?

つまり、何を申し上げたいかというと、現代は多様性の時代である、ということです。何も、知性を代表する基準は「学歴」だけでは決まらない、ということなのです。
「学歴」の高さは、いわばオールラウンドプレーヤーとして優れていたことの証(あかし)です。しかし、現代は突出した専門性、ある分野に異常なくらい詳しい、ということも評価されるようになってきました。
つまり「オタク」というカテゴリーというかポジションが出現し、世の中に広く認知され一目置かれるようになったのです。「オタク」と呼ばれるくらい、ひとつの分野に際立って詳しければ、それはそれで充分評価の対象となるのです。
そういった評価でいえば経営者というのは、自分の専門分野の言わば「オタク」の権化のようなものです。他の一般人よりも、自分の所属している仕事に関しては、はるかに詳しい存在なのだといえるでしょう。


知的に伝えることのメリット

問題はその専門性をどう伝えていくか、ということです。経営者はタレントではないので、なにもそれを面白おかしく伝えていく必要はありません。極めて真面目に、しかしわかりやすく伝えていけばいいだけのことです。
何らかの形でメディアに登場し、自分の専門性を伝えていく・・・ それだけで知的に見えるとすれば、自らの事業にとってこんなプラスになることはないのではありませんか。
というのは、知的であるということは、尊敬の対象になり憧れの存在となり得るからです。他者にとって、その人の話を聞きたい、できることなら接点を持ちたいという存在になります。
そういった印象を与えることができれば、営業に関してはもう半分終わったも同然です。リスペクトされ一目置かれている訳ですから、こちらの言うことはノーチェックで聞いてもらえることになります。


一石二鳥も三鳥も・・

経営者の「情報発信(アウトプット)」というのは、ツボにはまればそれくらいインパクトがあるのです。専門性の伝達と同時に知的印象を与えることができれば一石二鳥というものです。
さらに「情報発信(アウトプット)」というのは面白いもので、それを続けていればそのやり方だけでなく、自らの専門性についても磨きがかかってきます。それはおそらく「情報発信(アウトプット)」そのものに責任がともなうということと、注目されることで「もっとレベルを上げなければ・・」と、自分をいい意味で追い込むことになるからです。
一石二鳥も三鳥も想定される、経営者による「情報発信(アウトプット)」、多少の方法論、テクニックなどもありますが、是非真剣に向き合ってみて下さい。



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