- お電話での
お問い合わせ - 099-472-0620
コラム
国内調達を構築できないのには相応の理由が・・―製造業は、なぜ国産回帰できないのか?―Ⅲ
2020年6月15日
[重要な物資は国内調達できるよう構築すべきでは]
国内経済は慢性的な低収益構造にあり、それが大きな問題である、と指摘される経済評論家の加谷 珪一氏。
その実態について
「中国や韓国に依存せざるを得ない構造的な要因」
というタイトルで解説しておられる。
― マスクに用いる不織布は中国が圧倒的なシェアだが、ドイツも高い輸出シェアを確保している。一方、日本はマスクのほとんどを輸入しており、国際市場での競争力はない。マスクだけでなく防護服やフェイスシールド、人工呼吸器など、医療器具の多くを輸入に頼っており、中国をはじめとする諸外国からの輸入がストップした場合には深刻な状況に陥る。(中略)
肺炎患者の最後の拠り所となる人工呼吸器のメーカーは、中国や米国、ドイツなどが中心で、日本で使われている装置の多くは輸入品。世界は人工呼吸器の争奪戦となっており、生産能力を持たない国が数量を確保するのは困難だろう。
こうした事態を受けて、国内では「外国依存を脱却せよ」「国内の生産体制を強化せよ」という勇ましい声が聞かれる。重要な物資は国内調達できるよう体制を構築すべきというのは、まさに正論であり、異論を挟む余地はない。(中略)
重要な物資を海外に依存していた場合、非常時に深刻な事態に陥ることについて予想できないほど日本人は知能が低いのだろうか。そんなことはないはずだ。十分に予見できていながら、こうした体制を構築できていなかったことには相応の理由があると考えるべきであり、逆に言えば、この部分を改善できなければ、いくら声高に叫んでも状況は良くならない。―
資材の調達やマスクのように作りのシンプルな製品を、労働賃金の安い国(今や中国はそれほど安くはない・・・)に依存するのはわかるような気もするが、人工呼吸器など医療器具の多くを輸入に頼っている、というのは不思議な話である。
それこそ、日本の得意分野ではなかったのか!?!
先進国であるドイツがこういった製品について輸出可能な国であることを知ると、
「重要な物資は国内調達できるよう体制を構築すべき・・」
ということを強く思わざるを得ない。
その点について、加谷氏は
「十分に予見できていながら、こうした体制を構築できていなかったことには相応の理由がある・・」
と、引き続き解説されている。
豊かに見える日本社会
つづく
関連するコラム
- 状況変化のスピードが速すぎて・・・・―海江田事務所のコロナ対策についてーⅡ 2020-04-21
- 国内経済の慢性的な低収益構造に問題あり―製造業は、なぜ国産回帰できないのか?―Ⅱ 2020-06-10
- 50%強の日本企業の売上は1億円にも達していない―新型コロナ禍で露呈した「日本経済の脆弱性」について考える―Ⅶ 2020-08-04
- 供給が遅れればビジネスチャンスを逃し、調達が間に合わなければリスクをかぶる―新型コロナウイルス禍で気づいた先を読むことの責任とリカバリー力の大切さ―Ⅲ(おしまい) 2020-07-10
- 中小企業はイノベーションが起こりにくく、労働環境も悪く、女性の進出率も低い―新型コロナ禍で露呈した「日本経済の脆弱性」について考える―Ⅷ 2020-08-07
コラムのテーマ一覧
- どーでもいいけど面白かったエピソード
- 「情報発信(アウトプット)」戦略について
- 「情報発信(アウトプット)」戦略について
- どーでもいい話
- 危機管理について
- 専門性について考える
- 地方再生と地域活性化について考える
- ビジネスモデルについて考える
- 事業承継、後継者問題
- 新しい技術、時代について考える
- 業界について考える
- 歴史について考える
- 世代による考え方、行動の違いを考察する
- リーダーシップについて考える
- 日本の文化について考える
- 自分を振り返る
- 経営について考える
- 販売促進戦略
- 経営計画を考える
- コンサルティングについて考える
- 専門性を考える
- 新規事業(起業も含む)について考える
- ファッションについて考える
- 経済問題
- 人生を考える
- 社会問題
- 中小企業経営を考える
- 経営助言
- 経営革新支援
- マーケティング
カテゴリから記事を探す
海江田博士プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。