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コラム
お洒落黎明期・・・DCブームの時代―僕たちは確かにバブルの喧噪の中にいた―Ⅱ
2017年7月23日
最寄りの山手線駅が原宿だった私の会社の周りには、それこそこのDCブームに乗っかったような小さなアパレルブランドが沢山ありました。
彼らはマンションの1室で会社を起こし、こじゃれたブランド名を名乗って、受注も順調だったのでしょう、毎日遅くまで忙しそうに働いていたのです。
このDCブランドのブームが、なんともすさまじいことになっているのだな、ともろに肌で感じたのは、セールの時期に入ったときでした。
会社の近くにあった「ラフォーレ原宿」や「青山ベルコモンズ」(なんとも懐かしい・・・)などのファッションビルやブランド直営店は、既にセールに入る日の前の晩からバーゲン狙いの若者たちが列をなしていました。
夜が明け、当日の朝になる頃には、これらのファッションビルはそれらのバーゲン狙いの若者の行列に2重3重に取り囲まれていたのです。
これは、当時30代半ばにさしかかっていた私には、まさに驚きの光景でした。
列に並びきれずに、車道にまで溢れ出ようとする若者達を、ビルの警備員たちが必死で制御する様子がニュースなどでもしょっちゅう報じられたのです。
こんな光景を覚えている人ももう少ないかも知れません。
人気のファッションブランドと言っても、この頃は玉石混合で、中にはたちの悪い業界の人間も多かったのです。
普段3万円くらいで売っているセーターにバーゲンの時期、なんと6万円の値札をつけそれをわざと見えるように上から消したように見せ、やはり3万円で販売するような乱暴なブランドもあったのです。
私が着ているピンクのセーター、実はその頃あるブランドで買ったものです。
貴重な1枚。
つづく
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