リフォームは工事中が大事⑦~間取り変更など簡単にできない

鈴木敏広

鈴木敏広

テーマ:リフォーム

番組では工事前と後で大きな間取り変更を見せることが目的に作られていますから、リフォーム工事をすれば間取り変更は当たり前のようにできる思われるかもしれません。もちろん、TV番組のように丸裸にすればおそらくどんな間取り変更も出来ますが、②に書いたように実際はあのような工事はほとんどありません。施主さんが家財を持って引っ越しすることなどほとんどないからです。

私がリフォーム工事で、施主さんが工事中引っ越してもらった工事は一件だけです。その現場は雨漏りがひどく、通し柱が傷んでいて屋根を解体する必要があったからです。工事中に一時屋根がなくなってしまうためお願いしたのです。

以前、リフォームしているある会社のホームページに工事前後の写真と図面(全体でなくリフォームした部分だけ)を載せ、二部屋を一つにして大きなLDKにしたような工事を見たことがあります。TVのように工事前後の写真でこんなに変わったことをアピールしていたのです。

その工事は、DKの隣の和室とDKからトイレ、洗面所に行く廊下を取り込み大きなLDKを作っていました。大きな間取り変更の工事ですが(おそらく二階建ての)住宅の1階の壁を何カ所か撤去して大きなLDKにしていました(下図参照)。

リフォームは工事中⑦


壁が減ることは耐力が減ることになります。コラム「リフォームと耐震補強⑦」に書いたように地震に抵抗するのは壁だからです。壁を取ったら、取る壁の近くに同じ方向でかつ同じ性能以上の壁を作らないと現状より耐力は低下することになります。

法律改正以前の住宅はおそらく壁の量が少ないと思われます。ですから、基本は壁を増やすか、既設の壁の補強をして住宅の耐震強度を上げないといけません。そう考えると簡単に壁は取れないですから、よく考えないと間取り変更はできません。

次回は、『リフォームは工事中が大事⑧~壁を撤去したら近くに壁を』です。


YouTube公開しています。(https://www.youtube.com/channel/UCSOQJJSB9gBnpWeXIWnSacg)


---------1955年以来の信頼と実績---------------------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
-------------------------------------------------------------------------

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼